南岳→奥穂高岳縦走 
(3033m)  (3190m)(大キレット越え)


北穂高岳→奥穂高岳→白出沢→新穂高
大キレット編
NO 2

2006年8月5日(土)〜6日(日)
  





コースタイム   南岳小屋(6:10)→南岳山頂(6:20)→最低コル(8:00)→長谷川ピーク(9:00)→A沢のコル(9;15)→飛騨泣・クサリ場(10:15)
    →
北穂山頂(11:00
〜11:45)→涸沢岳直下・コル(13:30)→涸沢岳山頂(14:50)→奥穂高岳山荘(15:15)(泊)
        穂高岳山荘(5:45)→奥穂高岳山頂(6:25〜7:10)→穂高岳山荘(7:45〜8:15)→白出沢出合(13:50)→穂高平避難小屋
→新穂高無料駐車場(15:00)
(コースタイムについては、専門書を参考に行動して下さいね)



南岳から大キレットを通過し、北穂高岳まで登ってきたカラッチ隊は・・・
北穂高岳でゆっくりお昼休憩をとり、
これから涸沢岳に向かって、松涛コルまで下ります。
北穂のピークから降りたところが・・・松涛のコルです。
この辺りから見る前穂の吊り尾根とザイテングラートは見事でした。
下のほうには小さく涸沢ヒュッテも見えます。





↑  奥穂目指して登るカケス君!

←  松涛コルまで下る途中、涸沢ヒュッテが見えました





奥穂高岳側から見た・・・ドーム


涸沢岳手前までは急な下りで・・・
北穂の南峰を涸沢側に回りこみ、垂直なルンゼを慎重に下る。
一部、鎖があり・・・足を掛ける所もあり難しくはないのだが、
足や手を滑らせれば命の保障はない!
ここの鎖は結構細かったような・・・





オーバーハングしたような岩があったりで、なかなか大変な下りでした。
下る時も落石を起こさないよう注意して降りる。
最低コルに到着!!





涸沢槍の通過は、ガレた斜面をジグザグについた鎖にそって登る。
続いて草付きの岩場を景色を楽しみながら登ります。
こんな岩場にも・・・
タカノツメクサやミヤマオダマキなどの可憐な花が咲いて、疲れを癒してくれます。





涸沢槍から一旦、D沢のコルまで下り、涸沢岳に登ります。
涸沢岳は、大キレットに匹敵するほどの
梯子やクサリの連続する険しい岩場の登りでした!
北穂への登りで吃驚したカラッチも・・・
涸沢岳のこの岩峰を見上げた時、唖然として声も出なかったよ〜
それは・・・垂直近いチムニー状の岩場であった!
カラッチにとって、北穂から奥穂までのコースで一番の難関にも見えた。
でも登るっきゃないのです!





↑  これから登る涸沢槍を見上げるカケス
一番下にカケスの姿・・・分るかな?

上の写真の中央の白い岩の部分から
上の辺りを・・・拡大したものが
右の画像で〜す!  →



長い鎖や垂直に近い梯子が次々に現れ、
時にはトラバースするようなところもあったが・・・
落石にも注意しながらの登りは、緊張の連続でした〜
だって、ここから落っこちたら命ありませんよね。
覆いかぶさるような岩も、杭などに足を掛け攀じ登りました。
岩はしっかりしていて、手がかりもあるので思い切って登ったら・・・
涸沢岳の手前に出た。
そこからは涸沢岳へは、ひと登りのようだったので
リュックをデポして登った。
やったぁ〜 涸沢岳(3110m)山頂だ!!

日本で8番目に高い山で〜す。


涸沢岳頂上も間近〜 (上の右写真の右上の部分) やっと着いた涸沢岳でこの笑顔!




越えてきた大キレットと・・・北穂高岳の南峰と北峰
肉眼では、常念山脈の山々や後立山連峰がはっきりみえましたよ!



涸沢岳からは一気に穏やかな坂を下れば、下のほうに
穂高岳山荘が見えてきました。
今日の長かった行程もこれで終了!!





山荘前のテラスでは、大勢の登山客がビールを飲んだり
思い思いに寛いでいました〜
カラッチ隊も早速ビールといきたいところですが・・・(笑)
お部屋に案内して頂き、夕食前の休憩タイムです。
穂高岳山荘はとっても広くて、受付ロビーの横は談話室になっていて・・・
夕食後、山荘が建てられた当時の記録などのビデオ映像が流されました。





笠ケ岳に沈む夕日・・・


思えば・・・6年前の夏、初めて尾瀬を歩いた!
そうして4年前、カケスと二人で初めて登った独標の岩場で足が震えた。
その翌年には、白馬岳から不帰キレットを通り五竜岳まで縦走・・・
山歩きの素晴らしさを実感した。
そうしてカラッチなんて絶対登れないと思っていた、
あの剱岳山頂にも立てた!
大キレットは・・・経験浅いカラッチ隊には時期尚早と思っていた。
自分には手の届かない夢のような所・・・
そんな風に思っていたカラッチが、大キレットを越えた!!
もちろん・・・快晴・無風の絶好のコンディションが味方してくれたから・・・

特別な世界と思っていた景色が今、目の前に広がっている。
そんな幸福感が胸いっぱいに広がり
じわっと涙が頬を伝った!!
その上・・・こんな夕日や日の出までご褒美をくれた!
きっと今夜は眠れないだろうな〜〜



常念の肩から・・・ドラマは始まった!




すべての景色を染めて・・・


穂高岳山荘の前で日の出を拝む人達 山荘裏から・・・風力発電の風車
明日は、この白出沢を下ります




笠ケ岳も焼けた!


翌朝、山荘で朝食を頂いて奥穂高岳に登った!
なんと朝食には、卓上コンロの上で焼く「ホウバ味噌」がでましたよ。
奥穂高岳には、山荘横から真っ直ぐに伸びる鉄製の階段を登りますが・・・
大勢の登山客で、渋滞状態です。
少し時間をずらせば良かったかなと思いましたが、
今日は白出沢からの長い下りが待っているので、そうは言ってはおれません。

そうそうこの登りで、下って来るスェーデンから来た親子と出会いましたが、
この親子が4日の日、なんとあの滝谷出合で会った・・・
滝谷ドームを越えて北穂に登って行った親子だったのです!
カラッチが「あれから北穂高岳まで滝谷を登ったのですか?」って聞いたら
「オウーノー・・・滝谷ドームは半分までしか登れなかったよ!」ですって〜
でもそれから、引き返して南岳新道を通り奥穂まで登って下山しているのですから
なんとも健脚な親子さんでした〜(驚)




←  奥穂山頂へは、この梯子から始まりますが・・・
上のような長蛇の列
写真など写せないので下山時に撮影!



それでは奥穂高岳からの眺望をゆっくりとお楽しみ下さい!




写真手前には歩いて来た・・・大キレットが・・・




(画像をクリックすると・・・拡大してスクロールします)





(画像をクリックすると・・・拡大してスクロールします)


あのジャンダルムが今、目の前に聳えている!
まるで穂高の峰々を護衛するが如く、気高く崇高で圧倒される姿であった!!

カケスがジャンの手前まで行ってみようかと言う。
カラッチが「ジャンが、まだまだ経験積んでお出でって言ってるよ!」
と言うと、カケスも納得したみた〜い。
と言うか、長い白出沢を下る時間を気にしていたようです。

二人で・・・ジャンダルムの姿を瞼に焼き付けてきましたよ〜




奥穂高岳の目の前に・・・孤高のジャンダルムが聳えていた!




ジャンダルムとは・・・フランス語で “護衛兵” のこと




(画像をクリックすると・・・拡大してスクロールします)




奥穂高岳山頂(3190m)では・・・
大勢の人でご覧の写真で〜す(笑)

ここからの眺めも絶景でした →


カラッチ隊、 日本で3番目の山やっと制覇です。
実は、、、富士山も北岳も未踏なのだぁ〜(;^_^ A フキフキ
奥穂高岳でしっかりこの目に素晴らしい眺望を焼き付けて・・・
穂高岳山荘で下山の準備を整えて、いよいよこれから白出沢を下ります。
白出沢は、かなりの急傾斜で岩屑を敷き詰めたような
ゴロゴロの岩と長い雪渓が続く、標高差のある健脚コースなのです。
この道は・・・穂高岳山荘の小屋資材の荷揚げに使われた歴史のある道だそうです。
山荘の直ぐ脇から、白出沢源頭の道をジグザグにペンキ印を辿り・・・
両サイドからの落石にも注意しながら慎重に下って行きます。


白出沢のガレ場を下るカケス ガレ場が終わったら、次はこんな雪渓


長い岩屑を敷き詰めような道がやっと終わったと思ったら、大きな雪渓の下りに入った。
ここで若いカップルが、12本アイゼンとピッケルを準備して
下山に取りかかろうとしていた。
カラッチは最初、「エェッ、12本アイゼンにピッケル」と思ってしまったが
結果、途中でカラッチはそれが正解だったと思い知らされることになるのです。





緩い傾斜に見えますが、この写真は横から写したものです


雪渓を快調に歩くカラッチでしたが・・・
あってはならないことが起こってしまった!
途中カメラをしまったその瞬間・・・尻餅をついてしまい
Σ( ̄ロ ̄loll) ガビーン そのまま流されてしまったのです。
足でブレーキかけようとしても、滑った勢いでそのまま流されます。
下のほうではカケスが、カラッチの大声に吃驚して見てますが、、、
止める事もどうすることも出来ましぇ〜〜ん!
落としたペットボトルが凄い勢いで、転がっていきました。
本当にこの時は命の危険を感じました。

それが・・・奇跡としか言いようがないのですが、
カケスの目の前でカラッチ横になったままで止まったのです。
もう少しでカケスも巻き込むところだったのです。
ちょっとした油断が、こんなミスをおかしてしまうのです!
下のほうには大きな落石がゴロゴロしていたので・・・
あのまま滑っていたら、石で頭でも打っていたかも知れないのです。
それからは慎重に慎重に・・・歩きました。





穂高岳山荘のお弁当!
美味しかったなぁ〜

その白出沢の雪渓の
下部の辺りではこんなクレパスも・・・



長い雪渓を下って、しばらくザレた道を下っていると
若い夫婦らしき二人連れが、沢の方に下って行こうとしていました。
そちらの方では大きな滝のような音も聞こえています。
付近を見渡しても7月の豪雨で流されたのか、標識らしきものもテープも見つかりません!
カケスが地図とコンパス、時計で現在地を確認し・・・
地図上で少しだけ膨らみのある右上の茂みの方に、確認のため登っていきました。
やはり下山道は、「この上を高巻いて下りる道があるようだ」と帰ってきました。
大声で沢に向かっている夫婦に知らせて、カラッチ隊も登って行きました。

あのまま沢を下っていたら大変なことになるところだったのです。
高巻いた道をかなり歩いて下った頃、クレパス(上の画像)のような
大きく切れこんだ雪渓の見える道に出ました。
その下は、冷たく真っ青な水が滝のようにゴーゴーと流れていたのです。
カケスもカラッチも唖然としました。
その場所から下った安全な場所で、穂高岳山荘のお昼のお弁当を食べていたら
先程のご夫婦も下りてこられ、
「危ない所を助けて頂いて有難うございました」とお礼を言われました。
無事に下山出来た喜びで、お互いに握手!
穂高岳山荘のお寿司がとっても美味しかったで〜す!

長い白出沢をやっと白出沢出合まで下りたら、
穂高平避難小屋→蒲田川右俣林道と歩き、新穂高温泉ターミナルに到着!
長かった白出沢の下りも、難所の連続でした。
(標高差 約2200m 7時間弱)
こうして南岳から大キレットを越えて、奥穂高岳までの登山を無事終えることが出来ました。
長いレポになりましたが、最後まで見て頂き有難うございました。



新穂高→南岳新道→南岳・・・レポはこちら

南岳→北穂高岳 大キレット編 NO 1 ・・・レポはこちら

2006.7/29〜9/5 「山旅速報」

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