南岳→奥穂高岳縦走 
(3033m)  (3190m)(大キレット越え)


南岳→北穂高岳・・・大キレット編 NO 1


2006年8月5日(土)
  





コースタイム   南岳小屋(6:10)→南岳山頂(6:20)→最低コル(8:00)→長谷川ピーク(9:00)→A沢のコル(9;15)→飛騨泣・クサリ場(10:15)
    →北穂山頂(11:00〜
11:45)→涸沢岳直下・コル(13:30)→涸沢岳山頂(14:50)→奥穂高岳山荘(15:15)(泊)
(コースタイムについては、専門書を参考に行動して下さいね)


8/4、新穂高から南岳まで標高差1933mを歩いたカラッチ隊は、
すっかり疲れ果て、南岳小屋に着いた時には部屋に通されるなり・・・
そのまま横になって一眠りしちゃいました〜
そうして気が付いたら夕食の時間でした。
カラッチ、南岳小屋の「さかもとさん」にお会いするのを楽しみに登って来たと言うのに・・・

南岳小屋はとっても綺麗な山小屋で、小人数のスタッフで効率よく仕事をしてらっしゃいました。
夕食後、ひと段落された「さかもとさん」とお話することが出来ました。
さかもとさんは、「北アルプス南岳小屋」のHP通りの爽やかな方で、とても好感持てました。
最近このHPを皆さんに見て頂き
南岳のことを知って頂き有難いことだと話していらっしゃいました。
カラッチ隊と一緒になったお部屋の方も、南岳のサイトを見て来られたようです。
折角登って来られたのだから出来れば、ここ南岳から景色を堪能して欲しいとも・・・
また南岳は、「あまりにも撮影ポイントが多すぎて、あっちこっちへ目移りしてしまいますよ!」
と・・・笑っていらしゃいました〜
副長さんハイジちゃんのお話もしましたよ!





南岳小屋の受付ロビー


早朝の南岳・・・まだ目を覚まさない闇の中から浮かびあがる
一瞬の輝きと陰・・・素晴らしいショーの始まり〜始まり〜!
まさに「南岳劇場」・・・開幕の瞬間で〜す。





ご来光と・・・雲海に浮かぶ常念岳




雲海と前穂のシルエットも素敵でした〜( On Mouse )




モノゲンロートに染まりゆく・・・大キレット


獅子鼻までも・・・黄金色に染めて・・・ その光は、笠ケ岳の頂まで染めました


今朝はとっても澄んだ空気で、遠くの山も良く見えるようで〜す!
日光連山や加賀白山までくっきり見える素晴らしい眺望だったのです。
まさに秋晴れのような爽やかな朝です。
今日は、素晴らしい一日となりそうで〜す!!
獅子鼻から見る大キレットは、いつまでも輝いていました。

獅子鼻から穂高を眺め・・カラッチ隊の幸せな時もそろそろ終わり!
これからあの大キレット越えが待っているのです。
さぁ〜気を引き締めて p(^^)qガンバ!





これから向かう長谷川ピークと北穂


大キレットは、南岳と北穂高岳の間にあるV字状に切れ込んだ岩稜帯で
この縦走ルートは、痩せた岩稜が連続し、
長谷川ピークや飛騨泣きといった難所が点在します。
国内の一般コースとしては最も難易度の高いコースの1つで・・・
八峰キレットと不帰キレットと共に日本三大キレットと言われている。


大キレット展望台の獅子鼻・大キレットへの標識 いよいよこれから大キレットへの第一歩・・・


まず、獅子鼻より右にに回り込み、200m程の崖を下りていきます。
キレットへの入り口に掲げられた看板に・・・
「近年これより先の大キレットでは重大事故が頻発しています。
大キレットは難易度,スケール共に日本屈指のハードなルートが続きます。
いま一度、天候・体調・装備などを確認の上、事故のないように気を引き締めて!
無事に通過されることを願います。」
と言う南岳小屋からの注意書きがありました。
キレット入り口からいきなり、急な崖を250mほど下ります。
崩壊の激しい嫌な危険ケ所を落石させないように、注意深くゆっくりと下って行きます。
5mほどの鉄梯子が2本下ったら、キレットの底の部分に降り立った!


注意深く躓かないように・・・ (^_^;)\('_' ) オイオイ...手は離してはダメ!


キレットの底の部分に降り立ちました キレットの底から滝谷の垂直の壁を見上げる


キレットの底から暫くは、稜線の飛騨側の登り・下りを繰り返し・・・
ジグザグの登りが続きます。
これがあの「滝谷だ!」ってカケスは、しばらく見上げていました。
これから登る北穂の北面と滝谷の垂直な岩壁が、圧倒的な迫力でそそりたっていたのです。
その異様な姿とは対照的に、後ろを振り返ると・・・
南岳から下ってきた道が、何だか優しく感じるのでした。




大キレットの底辺りより・・・下って来た南岳を振り返る
高い円柱形の岩が・・・獅子鼻



キレットの底から・・・これから歩く北穂への大キレット 白いお月様とぐんぐん登って行くカケス!




鋸の歯のような長谷川ピーク・・・まさにナイフリッジ!


いよいよ大キレットの核心部分・・・長谷川ピークを越えます。
ピークとは言うものの、標高差100mもあるれきっとした山なのです。
長谷川ピークからA沢のコルまでは、ナイフリッジの連続で、
切り立った岩場が続き、手足フル稼働で足場を確認しながら注意深く越えていきます。
この突先辺りで信州側から飛騨側に乗越します。
安全に岩を跨いで足が届いたのを見届けて、なんとかクリアー!
飛騨側には危険防止の為、クサリと足を乗せる金具が岩に取り付けてありました。



長谷川ピークを越えて・・・ ここで体を岩にあずけ、鎖を頼りに
思い切って飛騨側へ越える
飛騨側の最も危険ケ所にはこんな足場も・・・


長谷川ピークを越え、道が飛騨側に戻ったら
第二の難所と言われている「飛騨泣き」の始まりです。
三角の岩場のクサリを掴みながら・・・
狭く浮石の多いガレ場をクサリ伝いに登ります。
飛騨泣きは下りより登りが楽です。 下る方がマジ怖いって思いましたよ〜
ルートの印は、しっかり岩についているので
慎重に登れば岩好きな方にとっては楽しいコースです。
ここからの滝谷の眺めが見事でした〜
しかしこの滝谷の垂直の壁を登るクライマーがいるなんて、カラッチには信じられましぇ〜ん!




↑  これより飛騨泣き・・・

右の写真手前が飛騨泣き・・・右後方が北穂への登り  →


長谷川ピークを過ぎ飛騨泣きを越え・・・
クサリや鉄のピンを頼りに慎重に下ると、最低鞍部に出ました。
やっとA沢のコルに辿り着いたのでした!
落石の危険もある場所なので休憩にも注意が必要なコルです。
先日もここで亡くなられた方がいらっしゃいましたよね。
浮石に乗られたか、落石にでもあったのでしょうか〜
ここでは休憩する時も、決して気が抜けません。
A沢のコルからは、笠ケ岳の向こうに白山も見えましたよ〜
スペースは狭いけど、ホッとする瞬間で〜す!






目の前が開け・・・「A沢のコル」に着ました ↑

←  飛騨泣きの突先を越える
上の左(飛騨泣きの画像)の左部分の突端部分がこれ



しかし、ここからが北穂への登り・・・まさに壁を見上げるようでした(汗)
カラッチ、思わず「エェッ これ登るの?!?」ってカケスに聞いちゃったよ!
そうしたらカケス君・・・「いやなら今来た道を引き返す?」だってさ〜
登るっきゃ無いでしょ〜〜
と言うことでひたすら登ることに・・・はぁ〜( ´o` )





最後の北穂小屋への登りに絶句・・・一番高い所に北穂小屋が見えます!



その北穂の壁にもこんな可憐なお花が咲いていましたよ!


北穂への登りは・・・岩を四つんばいになりながら登りましたよ〜
落石注意しながら、最後のザレた岩場を登りきると北穂高岳小屋に到着!!
そうしてこんな眺望を手に入れたのでした〜σ(^0^)
もちろん北穂高岳小屋では、一番人気メニューの北穂ラーメンとコーヒー頂きましたよ。
北穂ラーメン・・・美味しかったぁ〜





北穂からの槍ケ岳(3180m)・・・( On Mouse )
南岳の地層は、槍・穂高の一番上の地層の礫岩(れきがん)だそうです!





(画像をクリックすると・・・拡大してスクロールします)


いやぁ〜長谷川ピークといい、飛騨泣きも流石に
日本屈指のハードなルートでしたよ〜
でも三点確保を守りながら、確実にゆっくり歩けば大丈夫です。
カラッチ隊、お天気も見方してくれたから良かったのでしょうけど・・・
それにしても北穂への登り、カラッチにとって今まで一番の難所(?)でした!
この後さらに凄い壁・・・涸沢岳への登りが待っているのです。



新穂高→南岳新道→南岳・・・レポは こちら です

北穂高岳→奥穂高岳→白出沢→新穂高 大キレット編 NO 2 ・・・レポは こちら です

2006.7/29〜9/5 「山旅速報」

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