宮 之 浦 岳 (1936m) 2005年11月1日 (月) ![]() ![]() 10月31日、荒川登山口から縄文杉まで8時間40分(休憩・食事を含み)歩いた カラッチ隊は、昨日のうちに淀川登山口まで移動して・・・ 11月1日いよいよ、宮之浦岳に向けて登山します。 九州最高峰で日本百名山の最南端に聳える宮之浦岳は・・・ 地元では、宮之浦集落「岳参り」として山岳信仰の山だそうです。 屋久島の「三岳」のひとつ(他は永田岳と栗生岳)で、 また、屋久島の外周にある標高1000m前後の山々を「前岳」と呼ぶのに対して、 「前岳」の背後にある奥深い山を表す「奥岳」の一つでもある。 宮之浦岳への登山道は何本かあり、どれも登山技術と装備が必要なルートなのだ! その中で日帰りできるルートは、淀川登山口からのルートだけなのです。 ここ淀川登山口にはトイレ、水が完備されていて、駐車スペースも5、6台は置けそうです。 夜中に目が醒めると、夜空には眩いばかりの星が煌いていました。 明日は・・・どうやら好天が期待できそうで〜す! 今日の行程は結構長いので、午前5時真っ暗な中をヘッドランプをつけて出発です。 ![]() コースタイム 淀川登山口(5:00)→淀川小屋(5:50〜6:00)→高盤岳展望所(7:05〜7:25朝食)→小花之江河(7:45)→花之江河(7:55) →投石平(8:35)→栗生岳(10:00)→宮之浦岳山頂(10:20〜10:45)→途中で昼食タイム(11:40〜12:10) →投石平(12:45)→黒味岳分岐(13:05)→花之江河(13:20)→淀川小屋(14:55)→淀川登山口(15:40) (※ コースタイムについては、専門書を参考に行動して下さいね!) ここでお断りしておきますが・・・ 出発口の淀川登山口から高盤岳展望所辺りまでは、暗闇の中でしたので レポに掲載した画像は・・・下山時に写したものです。 登山の時にはヘッドランプつけて暗闇の中登ったので、気がつかなかったのですが、 登山口から少し登った所に、入山者をカウントするようになっていました。 携帯電話が使えるところには案内表示もありました。
淀川登山口からの登山道は、安房林道が完成してから・・・ 車利用による宮之浦岳最短コースとして、大勢の登山客に利用されている。 安房から淀川口まで23、5キロ、車で1時間半位かかりました。 登山観光シーズンには、安房からヤクスギランドまでバスが運行されています。 ヤクスギランドから淀川口までは、タクシーで20分程です。 淀川登山口から真っ暗な尾根をヘッドランプで辿り、 広い山稜を左、右にと緩やかな登下降を繰り返し・・・ 急な斜面を下り湿地帯を抜けると、淀川湖畔の淀川小屋に着いた。 登山口から淀川小屋までの登山道は・・・ 花崗岩が風化した砂状の表土で、亜熱帯特有の多雨に流され巨木の根が露出していた。 淀川小屋は60名収容の避難小屋で、ヘッドランプで出発の準備をする人達が沢山いました。 小屋の内部は綺麗でしたが、近くにあるトイレは異臭を放っていた。 小屋前の広場は、緊急時以外キャンプ禁止となっているそうです。
小屋から淀川の清流に架かる鉄橋を渡り、本格的な登りにかかる。 急峻な登りに加え、大勢の登山者によって荒廃した段差の大きい山道に苦労しながら登り 尾根上に辿り着く頃から空が白み始め、朝日が昇りだした。 残念ながら・・・巨木の樹幹が邪魔をして朝焼けが写せない! スギ、モミ、ツガ、ヤマグルマなどの巨木が沢山ありました。 この辺りシャクナゲの木も多く、花の季節には楽しめそうです。 途中、大きな杉の破片で出来た椅子のような切り株を見つけたカラッチは・・・ 早速そこに寝転んで、しばし休憩で〜す(笑) きっと他の登山者も寝転んだのでしょ〜 木の株が艶やかでしたよ。 ![]() 幹いっぱいに苔をつけた巨木を縫って・・・ 淀川小屋から1時間少しで、歩道の左手の高盤岳展望所に着きました。 展望所と言うだけあって、高盤岳(1711m)が目の前に見えます。 高盤岳の頂上には・・・「トーフ岩」と呼ばれる奇岩があり 肉眼でもはっきりと、トーフを包丁で切ったように見えましたよ〜 ![]() 高盤岳展望所から見た・・・高盤岳山頂のトーフ岩 高盤岳展望所から正面のピークを越えると、行く手に黒味岳が現れ、 やや急な下りを下りきると小花之江河に着きました。 小花之江河は泥炭層の湿原で、遊歩道上からは高盤岳を望むこともできます。 湿原の中の白骨化したスギが醸し出す景観・・・素晴らしかったで〜す。 花のシーズンにはヤクシマウメバチソウなども見れるそうです。 小花之江河から15分程で花之江河に着きました。 花之江河(標高1630m)は、日本最南端の代表的な高層湿原で ミズゴケの他にイグサ、ヤクシ、マホシクサ、モウセンゴケ、マイズルソウ ヒメコナスビ、ヒメウマノアシガタ、ヤクシマウメバチソウなどが見られるそうです。 正面に黒味岳を仰ぐ景観は申し分なく、白骨化したスギなどが素晴らしい。 自然美を鑑賞できる日本庭園のようだと言われています。 この花之江河は・・・宮之浦岳、安房歩道や湯泊歩道、栗生歩道への分岐となっている。
花之江河から約30分程で黒味別れに着きました。 黒味別れから往復1時間位で黒味岳山頂に登ることが出来るそうですが カラッチ隊は宮之浦岳に登りたい為、パスしました〜 黒味別れから黒味岳東斜面を迂回し、北に廻って岩場を下りると黒滝に出る。 黒滝と言うのは、岩を流れる水が苔で黒く見えるからでしょか〜 この滝の左の岩場を登り、沢伝いに高度を上げると投石平(標高1680m)に着いた。 沢から吹き上げてくる風が爽やかで、とっても心地良い!! ここは霧が出ると迷いやすいので注意が必要だそうです。 平らな岩の上から、黒味岳北東斜面、投石岳南斜面の温帯から亜高山帯の森林が見え、 ここで初めて行く手に宮之浦岳と永田岳が現れました。 ![]() カケスの頭上辺りに特徴ある・・・翁岳が見えます そうして右手には永田岳も・・・
少し歩くと投石岩屋で、ここから急峻な投石岳への登りが始まりました。 山頂直下の斜面を横断するように登ると視界が開け、小さな起伏の登高を繰り返す。 投石岳の斜面を登り終えると、屋久島登山史上最初に遭難された方の遭難記念碑がありました。
ヤクシマダケの中にアセビ、シャクナゲ、ビャクシンの小潅木、 その中に萎縮したスギの木立が、屋久島高山の特徴を如実に現しています。 この辺りもシャクナゲの季節には、素晴らしいでしょ〜〜 屋久島は洋上アルプスと言われるように、山岳島です。 島の中央部には九州の最高峰から7位までがあり、花之江河から登山道に沿って 黒味岳(1831m)、投石岳(1830m)、安房岳(1847m)、翁岳(1860m)、粟生岳(1867m)、 宮之浦岳(1936m)、永田岳(1886m)の順に連座している。
岩盤の小さな沢を渡り、最後の水場を過ぎたら・・・粟生岳、翁岳の鞍部に着きました。 翁岳への細い登路がづっと向こうに見えます。 翁岳の山頂は、30mの三つの岩搭からなってるそうです。 岩登りの心得があれば、右のチムニー、上部のフェイスを登ると、今にも落ちそうな岩の山頂に 立つことが出来るそうですが・・・もちろんカラッチ隊は、パスで〜す。 ![]() 向かって右より・・・翁岳、安房岳、投石岳
鞍部から最後の登りとなり、大きな露岩が散乱する粟生岳に着いた。 栗生岳の岩隅には、一品宝珠権現を祀る3基の祠がありました。 栗生岳は、屋久島の山岳信仰の三岳(御岳)の一つだそうです。 ここから、いよいよ宮之浦岳への最後の登りとなります。 息を弾ませながら巨岩の間を抜け、一旦平地に出て・・・ さらに登ると宮之浦岳西峰の山頂でした。
遂に・・・九州最高峰宮之浦岳に到着!! (v^ー°) ヤッタネ! 頂上の西側露岩の裏に一品宝珠権現が祀られ、宮之浦岳は益救神社の奥の院なのだそうです。 宮之浦岳頂上から永田岳が、実に素晴らしいで〜〜す! 永田岳の背後には口泳良部島、北方向には硫黄島・・・ 東方向には鹿児島の開聞岳が見えるそうですが、今日は残念ながら見えましぇ〜ん! そうなんですぅ〜 高盤岳展望所辺りではあんなに快晴だったのに・・・ 登るにつれてガスが湧いてきて展望は今ひとつでした〜 でも雨の多い屋久島で、永田岳が望めただけでも幸運ですよね! ![]() 宮之浦岳山頂 ( On Mouse ) ![]() 男性的な山容の・・・永田岳(1886m)・・・宮之浦岳より 下りは登って来たコースを辿り、淀川登山口を目指します。 いやぁ〜こんなに歩いて来たのかしらと思うほど長い下り(アップダウンあり)で〜す! 途中、投石平辺りで昼食をとり・・・長い下りに備えました〜 淀川口まで・・・後6キロなんて標識に出くわすとまだまだって感じです。 e(^。^)9 ファイト!! ガンバ!! やっと午後3時40分、淀川登山口に到着しました。 実に歩行時間・・・10時間40分(休憩も含む)・・・良く歩きました〜
昨日、今日と携帯が繋がらなかったので、ヤクスギランドから電話しました。 ヤクスギランドの電話ボックスは、屋久杉を繰り抜いて作ってありましたよ! そうして、尾之間温泉 (おのあいだおんせん)に浸かり・・・屋久島の郷土料理に舌鼓! 屋久島の郷土料理は、トビウオのお刺身でしたが・・・ カケスが刺身よりから揚げが良いと言うので、から揚げにして頂きました。 他には豚の軟骨の柔煮、トビウオの天ぷなどなど そうして味噌汁の中には、「カメノテ」と言う変わった貝が入ってました。 どのお料理も、とっても美味しかったですよ〜(^^) 尾之間温泉・・・海沿いの露天風呂以外で1つだけ入るとしたらここがお勧めです。 石鹸、シャンプーなどは持参すること。 入浴料200円は安い! 無色透明のアルカリ性のお湯は、ツルツル感がありとってもいい感じでした。 荒川登山口から縄文杉のレポ 白谷雲水峡→屋久島原生林のレポ 屋久島巡り ![]() |