吉野山・奥千本桜

2007年4月20日 (金)   


日本一のスケールといわれる吉野の千本桜を
以前から見たいと思っていたカラッチ・・・
今回山歩きの会で、釈迦ヶ岳・大日岳に登るために奈良を訪れ、
桜のピークは過ぎていたけど、奥千本を歩くことになりました。


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吉野と桜の結びつきは古く、天智天皇(668〜671)の頃に、
役小角(えんのおずぬ)という人が大峰山で修行している時に、金剛蔵王権現を感得して
桜の木に、そのお姿を刻んだことに始まると伝えられています。

吉野山には、シロヤマザクラ(白山桜)を中心に200種(3万5000本)の山桜が、
吉野山の麓から頂上まで一面に色づき咲き乱れ、
その美しい桜に酔いしれる観光客で吉野山は賑わうのです。
ほとんどが白山桜という種類で、花と共に若葉が萌え
清楚な花の一番の見頃は、4月上旬から中旬 だそうですよ!





吉野奥千本から熊野本宮大社までを
大峯奥駆道といい・・・
大普賢岳・弥山・八経ヶ岳・釈迦ヶ岳・行仙岳など歩くコース



まずは本日のメインである、奥千本桜を見るために
乗ってきた小型バスで、奥千本入り口に到着!
ここから歩いて、まずは「金峯神社」にお参りしました。
金峯神社は・・・
吉野山の総地主の神で、金山彦命を祭っています。

金峯山は、大峯山・山上ガ岳にいたる山々の総称で・・・
山上ガ岳への玄関口の役割を担っている。
女人結界門から先は・・・山上ヵ岳まで未だ女人禁制が残っています。
吉野山から熊野本宮大社へ続く約80kmの修験の道を
大峰奥駈道といい・・・
修験者たちは難行しながら、何日もかけて修験の山路を辿ると言う。




静御前が捕まって舞を舞う間に、
義経が身を隠したと言われる・・・
義経隠れ搭



義経隠れ塔
金峯神社のそばに義経が身を隠したという義経隠れ塔があります。
義経主従が追っ手に追われて、この塔に隠れていましたが、
危険を逃れるためにこの塔を蹴破って吉野の奥に落ち延びたという伝説が残っています。
その当時、こんな景色を義経も見ていたのでしょうか








金峯神社から高城山に登り、ここから桜越しに大峯山系を眺めます。
   高城山は・・・
標高702mの小高い峰で、「つつじが城」とも言われ、
東に三重県境の高見山、西に金剛葛城の連山、北に遠くは竜門山塊、
近くには蔵王堂が見渡せる。
摺鉢をふせたような形の山で、元弘の乱には大塔宮吉野城の誥城であった。





万葉集にも・・・
み吉野の 高城の山に 白雲は 行きはばかり たなびけり見ゆ」 
と・・・歌われています。
素晴らしい所でしたので、ここで昼食タイムとしました。





次に坂を下って、水分神社(みくまりじんじゃ)に・・・
水分(みくまり)とは水配りを意味し、三社一棟造の社殿を持つ雨乞いの神とされる。
社殿は豊臣秀頼により再建され、七神像のうち玉依姫命像は国宝です。
荘厳な桃山建築で、 回廊、楼門も含め重要文化財に指定されています。
楼門には、秀頼が寄進した湯釜が置かれていました。
上千本は・・・水分神社付近から見ると良いらしいですよ!





  そうして中院谷(ちゅういんだに)・花矢倉に・・・
中院谷は、義経が隠れていた古跡であり、
花矢倉は、佐藤忠信が防ぎ矢を射かけた地と伝わっている。
この谷で文治元年11月、源義経は鎌倉の追手を避けて主従十数人と共に、
吉野山の中院谷に隠れて潜んでいた。
しかし吉野の衆徒らは鎌倉への忠誠の為、大鐘を突いて僧侶を集め、
義経のいる中院谷に押し寄せてきたのです。
源義経の身代わりとなって、主従を落ち延びさせるために
佐藤忠信が一人この地に踏み止まり、追いすがる敵を切り防いだそうです。
義経千本桜」として有名な場所です。
また、花矢倉と道を隔てて真向かいの坂の頂上にある「雲井の桜」は・・・
後醍醐天皇の御製で名高いそうです。




花矢倉は・・・
吉野山はもとより、遠くに金剛、葛城、二山、高取、竜門などの連山を一望できる
吉野随一の展望所であるが・・・こうした古戦跡だったのです。
花矢倉から眼下に広がる風景は絶景でしたよ。
尾根づたいの道の向こうに蔵王堂が大きく見え、絵になる風景です。

眼下に下千本、中千本を見渡す花矢倉では、
風の向きによって花びらが谷から舞い上がることもあり、それは見事だそうですよ!





吉野の桜といえば、いかにも華やかですが・・・
山を歩いて感じるのは修験の山の深さです。
華やかに咲く桜の裏には、実は深い悲しみや憤りが秘められて、
ことさら吉野の桜は美しいのかも知れません!

途中の道端に可憐なニリンソウが咲いていました。
ふと崖下を見るとニリンソウの群落があるではありませんか〜
また、ごま豆腐や吉野葛のお店も立ち並んでいました。





そうして竹林院群芳園の中を拝観しました。
竹林院群芳園は・・・約1万坪の敷地内に大和三庭園の一つ群芳園を有し、
古くは西行法師、太閤秀吉、与謝野晶子をはじめ多くの文人墨客の宿する所となり、
今日に至っています。
中には、池泉回遊式の借景庭園である群芳園があり、
21代住職祐尊が作庭、吉野の花見の折に利休が手を加え、
それを細川幽斎が改修したものだそうです。
大きな築山の手前に細長い池が配され、築山に上り、池の対岸側に下りる
池泉回遊式の庭園で・・・吉野山西側を借景としているそうです。







吉水神社は・・・もともと吉水院という格式の高い金峯山寺の僧坊であったが、
明治の廃仏希釈により神社となったそうです。
建物は、入母屋造り、桧皮葺きの屋根が美しい最古の書院建築で・・・
吉野に潜行した後醍醐天皇の行宮所になったり、
義経や静御前一行が逃げ延びてきたり、
太閤秀吉の花見の本陣になったりと、数々の歴史を見てきた場所である。
義経潜居の間や、後醍醐天皇玉座の間などがあり、
4月と11月には・・・
静御前の衣装、豊太閤金屏風なども見ることができるそうです。

ここにても 雲居の桜 咲きにけり ただかりそめの 宿とおもうに
と・・・この吉水院で憂悶の数年を過された
後醍醐天皇の句が残されています。





吉水神社の山門を入ってすぐ右より、中千本が一望出来ます。
太閤秀吉の花見の本陣となった所で、一目千本(ひとめせんぼん)と言われています。
「一目千本」からの景色に豊臣秀吉公は感動し、
「絶景じゃ〜絶景じゃ〜」と大声ではしゃいだそうです。
文禄3年(1594)、吉野山に絢爛たる花見の宴を張った豊臣秀吉は、千石を寄進し・・・
大阪より持参した千本の桜の苗木を植えたといいます。
この太閤桜はカスミ桜の品種で、白色で高木、見頃は四月中旬過ぎだそうです。

吉野の桜は
中千本、上千本あたりから、見下ろした景色がいちばん美しいらしい!!
中千本は、吉水神社・如意輪寺付近から見れます。
今日は、満開の桜は見れませんでしたが・・・
新緑が桜色に色づいて、あたかも桜が咲いているようでこれも見事でした〜σ(^0^)





吉野山のシンボルともいえる「金峯山寺(きんぷせんじ)」は・・・
白鳳年間に、修験道の開祖役行者が開いたとされる修験信仰の根本道場で
秘仏三体の御本尊・金剛蔵王権現を安置し、本堂蔵王堂仁王門は国宝です。
また銅鳥居は、重要文化財に指定されている。
中世において隆盛を極め、現在も金峯山修験本宗の総本山として威容を誇っています。
銅の鳥居[重文]は、宮島の朱塗り、四天王寺の石造りと並んで
日本三鳥居の一つだそうだ。





画像(向かって右上)が蔵王堂で・・・
「金峰山修験本宗総本山金峰山寺本堂蔵王堂」と言う長い名称が正式なのだそうです。
木造建築では・・・東大寺大仏殿に次ぐスケールといわれています。
重層入母屋造りで檜皮葺きの高さ34mもある荘厳な建物です。
毎年・4月11日、12日に、花供会式(はなくえしき)が行われ、
(蔵王権現の御神木である桜の開花をご報告供養する行事)
竹林院より蔵王堂まで大名行列が行われます
吉野山全山の桜の花を本尊に供えて、人々の罪を懺悔するのだとか・・・





黒門(くろもん)・・・金峯山寺の総門
木造りの門で、黒く塗られている
昔は吉野山の関所だったそうです





吉野の桜は、吉野駅あたり一帯の下千本から奥千本まで
約ひと月をかけて山を咲きのぼるだそうですよ!
下千本は・・・七曲がり付近からが良いらしい・・・

桜・桜・桜の・・・見事な桜霞の吉野山は、k2さんのレポでお楽しみ下さ〜い!

十分に吉野を散策した我々は、今夜の宿・大塔ロッジ星のくにに向かいます。
大塔に少し早めに着いたので大塔郷土館を見学した後、
ロッジ星のくにに到着し、早速「大塔温泉・星乃湯」に浸かり
夕食タイムで〜す!
なかなか宿泊料金の割には、ご馳走でしたよ。
お部屋も綺麗で、10畳に3人でゆっくり寝ることが出来ました。






お品書き
食前酒
イカとタケノコの木の芽和え
お造り・アマゴの焼き物
寄せ小鉢・天ぷら盛り合わせ
炊き物・茶碗蒸し
香の物・ご飯・吸い物
デザート


「大塔ロッジ星のくに」から、遠くに雪を被った弥山・八経ケ岳(?)が見えました!
大峯山系もなかなか奥深い山が連なっていて、
また何時の日か登ってみたいなぁ〜(^^ゞ





多くの人で賑わう吉野山は、ゴールデンウィーク近くまで、交通規制が行われます。
車の乗入れが規制され、歩行者天国となるそうです。
この時期は、車でまわるのは控えた方がよいそうですよ!
(駐車料金がとても高いです)
歩き方のポイントは、吉野駅からバスが出ているので、
それに乗って山の中腹か山頂で下車し・・・
ゆっくりと坂を下り歩きながらお花見を楽しむことだそうです。
今度、吉野を訪ねる時は、中千本桜が満開の頃に
歴史絵巻の面影を残す遺跡を見つめつつ、
いにしえの吉野の人々に思いを馳せながら歩いてみたい。





ロッジ星のくに付近の桜は、今が満開でとっても綺麗でしたよ!

釈迦ガ岳・大日岳・・・登山レポは・・・こちら


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