佐木島・大平山(さぎじま・たいへいざん) (267.5m)


2007年4月3日(火)
  


今日は、山仲間に誘われて広島県三原市沖の佐木島を歩くことなりました。
三原市の沖合いに浮かぶ・・・、「三原市鷺浦町」の
風光明美な美しい二つの島(佐木島周囲12キロ、小佐木島3キロ)を総称して
「双鷺洲」と呼ぶのだそうです。
江戸時代の詩人「梁川星巌」が三原市糸崎にて遊んだときに漢詩で
沖の二つの島を眺め、そのあまりの美しさに「双鷺洲」と詠んだと島の方が
教えて下さいました。
佐木島は芸予諸島の島の一つで、ワケギ日本一の生産量を誇る町であり
離島では珍しく漁業ではなく、ワケギ、メロン、トマトなど農業が主産業だそうです。
この二つの島を合わせても、戸数464戸・人口1033人の小さな島ですが、
島民の皆さんは人情豊かで信仰心も厚いとのことでした。
今回・・・島民のKさんに大変お世話になりました。



佐木島には、この高速船で・・・
 尾道駅前桟橋から須ノ上港まで 
25分(片道400円)で
渡りま〜す!

三原からも高速船が出ています


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  太平山の登山道は、この島の住民の方の  
ボランテアによって、2年程前に
整備されたそうです。
そのお陰で、私達も今日のように
登山を楽しむことが出来ます。
感謝・感謝!!

三原市鷺浦町にある
佐木島の最高峰・・・太平山は
高さ267、5mで
登山ルートは3ツあるそうです

3ルートの登頂目安(休憩含まず)

 幸神口→みはらし岩→千畳敷→頂上 
(1、6キロ 約50分)

向田口→二本松→頂上
(1、7キロ 約50分)

須ノ上口→観音さん→頂上
(約1、6キロ 約45分)

今回私達が歩いたコースは
須ノ上登山口→大平山山頂→
北側(三原市街が見える方)に下って→
幸神登山口に下山→県道に出て左に折れ
→幸神社→北川丸遭難慰霊碑→
 搭の峰千本桜→魔崖和霊石地蔵→
向田登山口→須ノ上登山口です


一緒に歩いたOさんの妹で島民のKさんが、桟橋まで出迎えに来てくださり、
私達が登る太平山の須ノ上登山口まで案内して下さいました。
太平山は標高は267、5mですが、海抜0mからの登山で、いきなり結構な急りでした〜
最初からフゥーフゥー言いながら、それでも皆さん、
登山道脇に生えているワラビを採りながら登って行きます。
 (#´ο`#) はぁ〜



ヤマザクラもまだ咲いていて・・・
花を愛でながら
しっかりワラビも採りながら
皆さん
ワラビを入れるために
スーパーの袋を手にぶら下げて
足腰の屈伸を兼ね(笑)
「ここ見落としてるぅ〜」
と賑やかなことです


登山道から40分程歩いた頃、通称「観音さん」と呼ばれている
大平山南側の小湯船山に到着しました。
ここには三十三観音像が祭られていましたよ!





三十三観音像に沿うように登山道も整備され、
南側には、満開の大きな桜の花が出迎えてくれました〜σ(^0^)
桜やツツジ、そうして観音様に見守られ、
瀬戸内の島を眺めながらの歩きは・・・最高です。
さらに南に少し歩いて行くと、「ねんねこ岩」と言う岩がありました。
どうやら下から見るとこの岩、ねんねこで背負われた赤ん坊のように見えるからだとか・・・




三十三観音像に導かれるように歩き・・・
いったん下って太平山への急斜面を登ると太平山山頂です。
太平山から少し北側に下りた平らな所が、「千畳敷」と言われている所のようです。
ここは実は、宮島の候補地だった?との伝説もあるそうですよ!
しかし今は、雑木が茂ってその面影もありませんでした。
ヤマツツジの濃い色合いが緑に映えていました。





ヤマツツジが見事でした

これより一旦下って、向かいの太平山に登ります →






佐木島(手前)の対岸に見えるのが高根島です。
眼下に「搭の峰千本桜」が見事に咲いてるが分りますでしょうか〜
(画像中央部分です)
搭の峰千本桜は、その名の通り・・・
小高い丘に1000本の桜が島民の手で植えられたそうです。
満開の時には桜色のトンネルとなり、それは見事なのです。
そんな眼下の景色を楽しみつつ歩いていると、太平山に到着しました。




大平山山頂 (向かいは高根島)

← 大平山へは激登りで〜す・・・そうしてまた下ります →


太平山から北側 (三原市街が見える方) に下って
幸神登山口へ下山すると、県道に出て左に折れると幸神社がありました。
そして、15分くらいで北川丸遭難慰霊碑の入り口です。
ここにも桜の木が植えられていて、桜のトンネルをくぐって登っていきます。

佐木島と高根島の間の瀬戸で・・・昭和32年4月
第五北川丸の座礁事故があり、113名もの犠牲者が出たことは記憶にありました。
瀬戸田から花見帰りの客を定員の三倍も乗せて、
尾道へ向かう途中、虎丸礁(とらまるしょう)に乗り上げ座礁し沈没したのです。
事故が二度と起きないことを祈って、翌年から始められた慰霊祭は、
遺族の方と島の人たちで慰霊されてきたそうです。
昨年が丁度、五十回忌だったとか・・・
慰霊祭当日、おむすび七百個を作って遺族を迎えたのは、
向田地区のボランティア約五十人だったそうですよ。

下の左の画像の船の手前に小さく見える灯台が、沈没現場だと初めて知りました。
おりしも丁度桜の季節、亡くなられた113名の御霊に頭を下げて
ご冥福を祈ってきました。






こちらの桜は・・

第五北川丸の慰霊碑が建っている丘です



そうしていよいよ、大平山手前から見下ろした「搭の峰千本桜」のある
小高い丘を目指して歩きます。
桜は満開に近い状態で、丁度見頃で素晴らしかったですよ!





千本桜を見上げつつ、桜のトンネルをくぐりながら
なんとも優雅な時間が流れていきます。
まだ花吹雪ではありませんでしたが、まさに桜のトンネル!!
仲間の皆さんも嬉しそうで〜す! 
=*^-^*=にこっ♪




桜のトンネルをくぐり登って行くと、小高い丘になっていて
そこで昼食タイムで〜す!
Oさん差し入れの
ワインもあり、至福の時が流れていきました〜






搭の峰千本桜でゆっくり昼食を頂き、干潮の頃を見計らって、
搭の峰千本桜から、いったん県道へ下りて
魔崖和霊石地蔵を見るために向田港に立ち寄りました。




佐木島の向田港の波打際の巨岩の中央に、
舟形の岩に地蔵坐像の魔崖和霊石(まがいわれいし)地蔵が祀られていました。
地元の方は親しみをこめて、和霊石(われいし)さんと呼ばれているようです。
右手に錫杖を持ち、左手に宝珠をのせ、左右に花瓶が浮き彫りにしてあり、
この地の平安を願ってか、願文が刻んでありました。
鎌倉時代(1300)に平茂盛が願主となり、仏師念心により造立されたものだそうです。
高さ 2.7m 幅 4.7m の花崗岩に彫られた魔崖和霊石地蔵のお姿は、
満潮になると肩まで沈み、干潮になると全身が現れると言う
全国でも類を見ないお地蔵様なのです。
この日も干潮に合わせてこ、の時間に来たのですが・・・
少し早かったようで、魔崖和霊石地蔵の前で拝むことは出来ませんでした。
けれどカラッチ・・・海水に少し靴を濡らしながら写真におさめてきましたよ!





その魔崖和霊石地蔵を見守るようにお地蔵様が並んでいました。
そうして島のあっちこっちに、このような綺麗なお花が咲いてましたよ!
下の左の画像は、向田登山口の案内板とお花畑です。





広島県三原市の沖合に浮かぶ人口約1300人程の離島・佐木島の島民が
真夏に熱く燃える!
それはこの島で毎年繰り広げられる、鉄人レース「トライアスロンさぎしま大会」なのです。
ミニコースのためトライアスロンの登竜門として愛好者に人気があるそうです。
(毎年8月最終の日曜日開催されます)
真っ黒に日焼けしたアスリートたちが、強い日差しの中、この島を駆け巡る。
その準備の為、島民が結束してその準備から当日の運営まで
島民総出で手伝うのだそうです。
まさに鉄人と共に・・・島が燃える一日らしいですよ〜

またこの島の海の美しさから、浜辺には別荘が立ち並び・・・
夏には海水浴やヨットを楽しむ人達もあるようです。






この島を歩いてみて、見逃してならないのは・・・
トライアイスロン大会で培われた島民の連帯感であり、
メロンなどの特産品作りに取り組み
また地区を見下ろす山に桜の木を植樹して、花見の名所にしたり
また大平山の登山道を整備して、島以外から人を出迎えることにより
島民の結束が一層繋がったのではないかと感じた。
そのことにより、今日こうして歩いた私達まで、
あたたかな幸せな気分にさせて頂いたことに、感謝せずにはおれませんでした。

また須ノ上港には、Kさんが冷たく冷やしたジュースやお菓子、
それにお土産の甘ナツカンやワケギまで持って来て下さいました。
美しい佐木島を歩き、優しい島の方々の人情に触れた
とっても感動の一日でした。
島民の皆様、Kさんのお陰で楽しく歩かせていただきました。
本当に有難うございました。 m(__)m





帰りの高速船から見た・・・因島大橋

2009年4月6日に歩いた・・・佐木島・太平山レポ


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