屋 久 島 を 歩 く 屋久島は、九州最南端の佐多岬から70キロ、黒潮の海に浮かんでいる島で・・・ 東西27キロ、南北25キロ、周囲132キロのほぼ丸い形の島は、 島そのものが山岳と言って良いほどで、九州最高峰の宮之浦岳をはじめとして 1500m以上の高峰が11座、1000mを越える山が45座もある洋上アルプスなのです! 海岸線から見える山は・・・愛子岳、本富岳、七五岳、破沙岳、国割岳などで前岳と呼ばれ、 宮之浦岳、永田岳、黒味岳、翁岳、安房岳、投石岳、栗生岳などを・・・奥岳(または八重岳)と呼ぶ。 1993年12月白神山地と共に世界自然遺産に日本で初めて登録されました。 海岸線から一気に立ち上がってる山肌には、熱帯性の植物から、亜熱帯性の植物分布が見られ、 樹齢数千年に及ぶ生命力に満ちた屋久杉を、山懐に見ることが出来る。 また宮之浦川、安房川、小楊子川、瀬切川などは、沢登り愛好者に知られている。 本来カラッチ隊は屋久島を、カケスの友人と避難小屋2泊三日の予定で歩く積りだった。 しかし急遽その友人が一緒に行けなくなり、予定を大幅に変更して・・・ 行程は少々きついが安全第一に考え、日帰りコースで歩くことにしました。 友人と計画した縦走コース 白谷雲水峡→縄文杉→新高塚小屋(泊)→宮之浦岳→永田岳→花之江河→石塚小屋(泊)→屋久杉ランド 10月29日(金)早朝出発し、高速道路を乗り継いで鹿児島港南埠頭に着いたのが午後3時前! 屋久島での食料や行動食などの買い物を済ませて、鹿児島港南埠頭で車中泊(笑) 翌30日(土)に、一日一便しかない屋久島行フェリー「フェリー屋久島2」に乗り込む。 午前8時35分鹿児島港出港し、宮之浦港に12時30分着でした。 ちなみに、フェリー料金・・・車は往復35000円、カラッチの分8000円でしたよ。 なんと今日は快晴で〜〜す!
荒川登山口より・・・縄文杉 2005年10月31日 (日) のち 宮之浦港で昼食を済ませ、早速縄文杉へのアプローチである荒川登山口に移動する。 標高600mの荒川口には・・・駐車場、トイレが完備され、縄文杉ツアー客用のバスも入る。 荒川登山口には沢山の車が駐車してあり・・・ウイルソン株まで行ってきた人などが帰って来るところでした。 その夜も荒川登山口に車中泊でしたよ〜ん! 夕方、日暮れの頃には車も一台もいなくなり、静寂な駐車場には「始終カラ号」が1台のみ・・・ ちっと寂しい静かな夜でした〜〜(^^ゞ がしかし・・・夜明けと共に車が到着し、中にはヘッドランプで5時頃から出発しているようです。 車の数も20台以上駐車しているようですよ! ここ屋久島では、殆どの車が「わ」ナンバーでレンタカーでした。 な、なんと外は小雨がちらついています! {{{{(+_+)}}}} ガーン やはりここは・・・屋久島でした。 早速、雨の洗礼を受けちゃいました。 31日午前6時やっと空が白み始めた頃、スパッツにザックカバー、カッパの上着を装着して・・・ カラッチ隊もそろそろ出発準備完了! コースタイム 荒川登山口(6:00)→小杉谷橋(6:50)→楠川分れ(7:15)→大株歩道入り口(8:20〜8:45・朝食)→翁杉(9:00)→ ウイルソン株(9:10)→夫婦杉(10:05)→縄文杉(10:35〜11:20・昼食)→ウイルソン株(12:15)→ 大株歩道入り口(12:30〜12:40)→楠川分れ(13:35)→小杉谷橋(14:00)→荒川登山口(14:40) (※ コースタイムについては、専門書を参考に行動して下さいね!) 荒川口の森林軌道の引き込み線から安房〜小杉谷、大株歩道登山口へと続くトロッコ道を歩き、 左の荒川にかかる50m程の高架鉄橋り、すぐに暗いトンネルを抜ける。 このトンネルは、人が通ると灯りがつくようになっていました〜 安房川の本流を右に見ながら軌道に従って進み、太忠沢の鉄橋を渡る。
小さな沢を幾つかやり過ごすと軌道は左右に分かれるが、右の軌道を進むと・・・ 小杉谷の集落跡に出る。 昭和45年に廃村になるまでは、屋久杉の伐採前進基地として栄え 一時は500人を超す人達がこの山奥で暮らしていたそうです。 昭和45年と言えば、まだ35年ほど前・・・そんなに遠い昔のことではないのです。 小中学校跡や集落跡の名残に、当時の栄華を思い馳せながら歩きました。
累々とした巨岩が転がる安房川本流を左に見ながら、トロッコ道を進む。 やがて楠川からの奉公歩道と合流し、さらに小杉山荘跡を見て三代杉に着いた。 三代杉は、二つ目の株から新しい芽が出ているので三代杉と言うのでしょ〜 途中、屋久シカが2、3頭表れるが・・・人馴れしているのか余り逃げない! こちらの屋久シカは、とっても小形で可愛かったです。 まだまだトロッコ道は続きま〜〜す! カケスと二人きりでちょっぴり寂しいような真っ暗な軌道も歩きました。
軌道は更に続き、途中橋脚が崩壊し迂回するが・・・ また軌道に戻り、大杉谷沢を通って、やっと標高900mの大株歩道の登山口に着いた。 荒川登山口より平坦なトロッコ道を歩くこと2時間20分、長かったなぁ〜 ここ大株歩道入り口(軌道終点)には、総額2億円かけて作られた とっても綺麗なバイオトイレがありました。 いつも水が流れていて、とても気持ち良く用足しを済ますことが出来ました。 これから急峻な自然林の山道が始まります。 屋久島では、いたるところに水場がありペットボトル500リットル持って歩けば充分です。 どうしても生水飲みたくない方は、煮沸して使えば大丈夫ですが・・・ 屋久島の水は飲めるそうですよ! 地図に水場の表示がありますので、確認して登られるといいでしょ〜 ここ大株歩道入り口のトイレの前にも、水場がありました。
こんな↓感じの階段が整備されていて、おそらく自然遺産の木の根や株を傷めない為なのでしょう〜 周囲の原生の森が屋久島独特の雰囲気を漂わせて、オゾンが一杯でした。 また太い木の根が這っていて、さすが屋久島の森って感じ! 木の株をそのまま利用した階段などもありましたよ。 時折降る雨が一層、屋久島の雰囲気を醸し出しているようで雨の原生の森も素敵です。
大株歩道登山口から15分、まず最初に翁杉と言う巨木に出会いました。 樹高23、7m・・・胸高周囲12、6mのみるからに樹齢を感じさせる巨樹で・・・ 推定樹齢は、2000年だそうです。 写真では良く分りませんが、根元に近いところにはヒノキ、ヤマグルマ、ナナカマドの 着生木と苔類に覆われていました。 周囲には、ヤマグルマ、シキミ、ユズリハ、リョウブ、ヒメシャラなどがみられるそうです。 (屋久島森林環境保全センター・ガイドブックより)
このように↓名前のついてない巨木も至るところにあるのです。 杉の巨木の下を歩くカケスが、小さく見えませんか〜 屋久島では樹齢1000年以上のものを、一人前の杉として・・・屋久杉と呼び・・・ 1000年以下は・・・小杉、植林された杉は・・・地杉といわれています。 ほら〜、ヒメシャラだってこんなに巨木なんです〜〜
翁杉からあること10分、やがてウイルソン株に到着しました。 小杉林の中に小山のような伐根のウイルソン株は・・・ 大正の初め、アメリカの植物学者ウイルソン博士が雨宿りして発見したことから 名づけられたそうです。 胸高周囲13、8mの大きな株で、中は畳が10畳ほど敷ける空洞となっている。 空洞には清水が流れ、天を見上げるとスギの樹幹が見え独特な雰囲気が漂う! ウイルソン株の周囲には、まるで立派な人工林を思わせるほど30mを越すスギが林立している。 これは旧藩時代に皆伐状態に近い伐採が行われ 陽光が当たるようになり、一斉にスギが再生した為と思われる。 周囲には・・・ヒメシャラ、ユズリハ、ヤマグルマなどが見られが・・・ スギの樹高が高いため下層木となっている。 (屋久島森林環境保全センター・ガイドブックより)
ウイルソン株から登ること45分! 標高1190mの登山道右手の急斜面に大王杉が立っている。 根元には3箇所の割れ目があって、中はかなり大きな空洞になっている。 樹高24、7m、胸高周囲11、1mあり、縄文杉が知られるようになるまでは・・・ 屋久島のシンボルとなっていた。 (屋久島森林環境保全センター・ガイドブックより)
大王杉から2〜3分の登山道の左手下方に仲良く手をつないだ夫婦杉が見える。 右手の男スギは・・・樹高22、9m、胸高周囲10、9mで 左手の女スギは・・・樹高25、5m、胸高周囲5、8mある。 つないだ手(枝)の上にもナナカマドなどが着生している。 (屋久島森林環境保全センター・ガイドブックより)
大王杉から約40分、荒川登山口から歩くこと4時間半・・・ 標高差700m登って・・・ やっと縄文杉に出会えましたよ〜(^o^) 縄文杉は、樹高25、3m、胸高周囲16、4mの屋久島最大のスギです。 昭和41年岩川貞次氏により紹介され、現在屋久島の代名詞となっている。 推定樹齢7200年とも言われ、樹形はごつごつしてコブがいくつもある。 見ようによっては、百獣のライオンの顔にも見え、正に森の王者の風格を備えている。 ナナカマド、ヒカゲツツジなどの着生樹も多く、頭上に小さな森が出来ている。 周辺には、ヒメシャラ、ユズリハ、タンナサワフタギなどの高木や ハンノキ、シキミ、サクラツツジなどの低木で構成されている。 これまで縄文杉下方斜面は、裸地になっていたが・・・ これは過去に写真撮影の為、低木の広葉樹が伐採されたにものよると言われている。 平成5年の世界自然遺産の登録のころから訪れる人が増加し 立ち入り禁止区域内に立ち入ったりすることから、平成8年3月に縄文杉周辺に 展望デッキが設置されました。 (屋久島森林環境保全センター・ガイドブックより)
気の遠くなるような生命力、屋久島を代表する縄文杉に感動したカラッチは・・・ 縄文杉の前に立ち、大きく両手を広げ縄文杉から・・・いっぱいの気を頂いてきました。 まだまだ元気で沢山の山に登れますように・・・と!! ここでお昼ご飯を食べ、登ってきた道をまた下って行きました。 大株歩道・・・確かに大きな株がいっぱいありました(笑) 下る頃にはすっかりお天気も回復し、青空が広がっていましたよ。 途中トロッコ道に流れる滝が、虹のように綺麗でした〜 下りは縄文杉から荒川登山口まで3時間20分でした。
午後2時40分、荒川登山口に着いたカラッチ隊は・・・ 明日登る予定の宮之浦岳を目指して屋久杉ランドを通過し 淀川登山口に移動しました。 淀川登山口から宮之浦岳 白谷雲水峡→屋久島原生林 屋久島巡り |