恐羅漢山 (1346.4m) 〜 旧羅漢山1334m

2013年6月23日 (日)   のち  一時  



広島県山県郡安芸大田町と島根県益田市匹見町の県境に位置する恐羅漢山は、
両県の最高峰で、山頂からはお天気が良ければ日本海も望めます。
穏やかな山容だが、断層沿いに比較的急峻な谷間が刻まれ、
国の特別名勝「三段峡」は恐羅漢山に源を発しています。
昔は人をも近づけぬ秘境だったようですが・・・
現在は標高800m付近の牛小屋高原まで車で入れるので、人気の山になっているようです。
また恐羅漢山は、広島県内有数の豪雪地帯で中腹北東斜面にスキー場があり、
北東麓の牛小屋高原にはキャンプ場もあります。
登山コースは・・・
夏焼きコース、旧羅漢コース、中の甲・台所原コース、立山コースと体力に応じて楽しめます
この時期ササユリやオオヤマレンゲを見ることが出来ると・・・
Mちゃんに誘われて総勢8名で登ってきました。
今日はTさんが8名乗りの車を借りて来て下さって、Tさんの運転で大黒峠目指しま〜す。
牛小屋高原レストハウスの広い駐車場に車を止めると、小型バスから先客の登山者が降りてました。
どうやら同じコースを歩かれるようです!

向かって右端中央辺りが登山口です!

我々、今回は夏焼尾根コースから恐羅漢山〜旧羅漢山と歩きます。
登山口となる牛小屋レストハウスを左に見て、まず夏焼峠を目指してレッツゴー

夏焼尾根コース(右)・・・立山コース(左)の登山口

緩やかな谷沿いの道を進むと、なんと林の中が明るくなり日が射してきました。
とっても歩き易いトレイルで、森林浴を楽しみながらルンルン〜〜♪
幾つかの小さな沢を渡ります。
数日降り続いた雨で沢の水かさも増してるようです。
尚、上の標識の左方向・・・立山コースはスキー場を登るようになるので下山に使います。



↑ 小さな沢を渡り・・・

← 今のところ・・・お散歩コースのような穏やかな道

雨でカッパを着て歩くことも覚悟してたけど、陽が射して新緑が目映いほど綺麗です。
そんなに目立ったお花はまだ見当たりませんが・・・
アジサイやヤマボウシ、イワガラミ、ナルコユリなどの花、そんな中でハスノハイチゴの白い花や
瑠璃色の美しいコアジサイがひときわ目を引きます。

ヤマアジサイ・・・( On Mouse )でコアジサイ ヤマボウシ

アブさんもお食事中・・・

夏焼のキビレ(峠)を目指して少しづつ斜度のある登山道を登っていきます。
ほどなくして夏焼峠に到着!! 
夏焼のキビレから左にそれ、恐羅漢山に登っていきます。
直進すれば砥石郷山・中の甲方面です。
ここで水分補給をし衣服を調整して、恐羅漢山への尾根道に取り付きます。
最初は急な登り坂で〜す。

夏焼峠から左に曲がり、急登を歩きます

急な登りが終わると平坦なトレイルとなり・・・
ブナの大木に絡まるツタやツルアジサイなどに癒されながら歩を進めます!
最初は急登ですが、1,131mピーク(早手のキビレ)でなだらかになりました。
早手のキビレは・・・台所原への分岐となります。
台所原はブナやミズナラの原生林が広がっていて、それはそれは神秘的なのだそうです。
今日はお天気も怪しくなってきたので、またの機会にしましょう〜(^^ゞ
そうそう、ここ恐羅漢山は熊の生息地なので、特に台所原付近は注意が必要のようです。



↑ 王冠のような・・・ツルアジサイ

← ブナの大木に絡まる・・・こんなツタ好きだな!

林床には、ツクバネソウやユキザサ、エンレイソウの花が終わり、実をつけてます。
そんな中、ハスノハイチゴの白い花が一際目を引きます。

ツクバネソウの実 ハスノハイチゴ ユキザサの実 エンレイソウの実

かやばたのキビレに到着!!
ところで「キビレ」って何と思われたことでしょう〜
キビレとは・・・"クビレ"からきたこの地方の言葉で、どうやら鞍部とか峠を意味しているらしい!
(⌒^⌒)b なるほど 納得!!

かやばたのキビレ アオダモの実・・・( On Mouse )

ところどころにブナの大木もあり見事だった!
ダンディーなTさんと、「この辺り何とも言えない雰囲気だね〜」と話しながら歩きましたよ。
しばらく平坦な道の後、ふたたび山頂に向けて登りとなりました。
ところどころにヌカルミがあり、ズボンの裾を汚さないように歩きましたよ。
雨に濡れたナルコユリのお花が可愛い!!

ブナの大木・・・新緑が綺麗! ナルコユリ

立山尾根との分岐まできました〜
下山はここからスキー場のゲレンデに向けて下ります。
後少しで恐羅漢山々頂でしょうか〜

立山尾根別かれ・・・下山はここから牛小屋高原へ

下の画像は登山道で見かけた白い花シリーズ!!
だけど、ブナの実だけは白くありませんよね〜
それでマウスを画像に当てて頂くと・・・白いものが〜(笑)
ふふっ、モリアオガエルの卵でした。

マタタビの花 ブナの実・・・( On Mouse ) オオバアサガラ
イワガラミ オオヤマレンゲ サワフタギ

恐羅漢山々頂に到着しました〜♪
恐羅漢山は、広島、島根両県の最高峰です。
三角点付近で県境線が直角に折れているので、
恐羅漢山の四分の三が広島県で、四分の一が島根県となるそうですよ!
生憎山頂付近では雲っていたので全く展望はきかず・・・
晴れていれば、
臥龍山や深入山、内黒山から十方山への稜線も見えるはずなんだけどなぁ〜

展望も良くないので、オオヤマレンゲを見に旧羅漢山に・・・
しばらく下ると、湿地帯となりヌカルミにはまらないように歩く。
雑木林の中を少し登ると、大岩のある旧羅漢山々頂に着きました。
大岩の上に登るには、立てかけてある木に足をかけて登るようだが、
小雨も落ちてきたので滑ると危ないので、止めておきました。
山頂には、今は亡き三笠宮殿下が島根県側から登られた登頂記念碑が立ってました。
近くまでヘリで来られたようで、そのヘリポート跡への道も残っているとか・・・
早速この大岩の向こう側に咲いているオオヤマレンゲを見にいきましたが、
見上げた上のほうにたった一輪咲いていました。
ところが後で聞いた話ですが、あの大岩を降りた先に、オオヤマレンゲの蕾や花が
沢山咲いていたそうでした。 あぁ〜残念!!
でも雨も降って、岩も滑り危ないので行かなくて正解だったかも〜

恐羅漢山々頂(1346.4m) 旧羅漢山々山頂(1334m)

そうそう、とっても珍しい山野草なので場所は特定出来ませんが・・・
今日誘ってくれたMちゃんが「スズムシソウ」が咲いているかもよ〜って言ってたのでした。
下に向かって左が我々が見た蕾の状態のスズムシソウで〜す!
そうして真ん中が「スズムシソウ」!!
右が良く似た「フガクスズムシ」と言うお花なのです。
お花が咲くと・・・本当に鈴虫ように可憐なお花ですよね〜
画像を見てると、何だか鈴虫の音色が聞こえてきそうではありませんか〜

Mちゃんにスズムシソウって教えて貰った! スズムシソウ フガクスズムシ

スズムシソウ(鈴虫草)・・・
ラン科クモキリソウ属の多年草で、
北海道から九州にかけて分布し、林の中に生える地生種だそうです。
唇弁の形と色あいがスズムシの羽に似ているところから名付けられた。
鈴虫蘭(スズムシラン)の別名があるようです。

フガクスズムシ(富岳鈴虫)・・・
こちらもラン科クモキリソウ属で、
ブナやモミの古木の幹に着いた苔類に着床するそうです・
と言うことで、私達が見たのはフガクスズムシに近いかも〜。
いずれにしてもこの場所で咲いたお花を確認しないと同定できないですぅ〜^_^;


※ スズムシソウとフガクスズムシの画像は、 「花図鑑さん」からお借りしました。

目立たない花だけど奥ゆかしさと愛らしさを兼ね備えた、
大人の色香を感じさせるお花のようですよ。

恐羅漢山々頂であの小型バスで来られた呉の団体さんとお会いしました。
何だか空模様が怪しくなってきたので、お昼もまわったことだし旧羅漢山で昼食を頂き、
恐羅漢山まで引き返し、立山尾根から下山することに・・・
牛小屋高原へのルートを下ります。
旧羅漢山で着たカッパも恐羅漢山まで戻ると雨も上がり、身軽になって下山開始!
スキー場の最上部に若くして遭難した人の供養地蔵がありました。

カヤバタゲレンデのリフト乗り場とササユリの蕾

ゲレンデの中をカヤバタゲレンデに向けて下りますが・・・
ここから可憐なササユリが沢山咲いてました〜〜
これから綻び始めようとする蕾から、やっと咲き始めたばかりのササユリ!!
お歳の頃も17歳・・・と言わんばかりのササユリ〜(笑)
色合いも白に近いものから、淡いピンクと色とりどり・・・
自然の中で咲くササユリって、本当に美しい〜〜♪
ゲレンデの芝の中を寝転がったり思い思いのポーズでカメラを構えましたよぉ〜^^;

オオヤマレンゲの群生は見れなかったけど〜
珍しいスズムシソウやササユリに出会えて幸せでした。

ゲレンデの中はまるでお花畑のようでしたよ!
色鮮やかなアザミや黄色いニガナ、ササユリとお花も堪能して、今日の山歩きも終わりました。

色鮮やかなアザミ ニガナも群生!

いこいの村ひろしま」で汗を流して岐路につきました〜
Mちゃん、同行下さった皆さん有難う〜♪
そうして拙いレポを見て下さった皆さん・・・サンクス〜(^^ゞ


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