2013年・日本百名山完登山旅
幌 尻 岳 (2052m) 100座目

太平洋フェリー
から 林道歩き編

2013年8月13日 (火) 〜 19日(月)  夕方一時雷雨

8/13(火)に大朝日岳から下山したカラッチ隊、
月山ICから山形自動車道に乗り、村田JCTから東北自動車道→仙台南部道路を経て仙台港まで走り
その日のうちに太平洋フェリーに乗り、翌朝(8/14)に苫小牧港に着きました。
なんと言う幸運の良さでしょう〜
前日に大朝日岳から下山して、翌朝には北海道の苫小牧にいるのですもの〜(笑)


今回で2回目の太平洋フェリー、とても快適でしたよ!!
船が大きいので揺れも全く感じることもなく、温泉にも入れるし、B寝台なのである程度のプライバシーも守れます!
朝食(1000円)も夕食(2000円)もバイキングで好きな物を食べれます。
コーヒや飲み物、ヨーグルト、フルーツ、ケーキなどもお代わり自由ですよ!
テレビもラウンジで自由に見れるし、時間は決まってますが演奏など楽しむことも出来ます。

太平洋フェリー・・・B寝台 朝食 ・・・ On Mouse で 夕食

苫小牧港に午前11時に着いて昼食後、 苫小牧市内で買い物をを済ませてから
北海道勇払郡鵡川町の道の駅・むかわ四季の館まで走ったのでした。
ここの道の駅は少し変わっていて、細長い建物はホテルになっていましたよ!
1階のロビーから鵡川温泉・四季の湯に入れるし、
奥には食堂あり、季節限定だけど鵡川名物のシシャモ丼が美味しかったです。
この道の駅で二泊し(もちろん車中泊)、英気を養いました。

道の駅・むかわ四季の館・・・On Mouse で シシャモ丼 道の駅・サラブレッドロード新冠・・・On Mouse で レコード館内部
新冠レ・コードの湯 ・・・ On Mouse で お風呂 サラブレッドロードの馬達 ・・・ On Mouse でオグリキャップ像

8/16(金)には、平取町役場まで出向き、幌尻岳の振内(渡渉)コースから登る為には・・・
シャトルバスに乗り、渡渉を繰り返し、幌尻山荘に宿泊しなければならないので
予約してないけど、宿泊出来ないか色々確認しましたが、
幌尻までの途中の糠平山荘が総てやっているので、そちらで確認して下さいの一点張りでした。

幌尻岳・糠平山荘方面の道

仕方なく糠平山荘まで出向き、予約のキャンセルは無いか確認しましたが、
毎年4/1の時点で予約されてる方で一杯(50名)で、空きはありませんと断られました。
この4/1時点で予約と言うのがくせ者で、話を聞くと殆どがツアー会社が抑えているようでした。
予約金1500円は返金されませんが、ツアー会社ならもしキャンセルがれば、他の登山者を募ればいいのですから・・・
そこで平取町役場と糠平山荘の方にお願いですから、一般登山者の為に50名の内10名でも
空けておいて頂くと、一般登山者でも振内(渡渉)コースからでも登れるのではないでしょうか〜
実際、カラッチ隊が幌尻岳に登った8/21(水)の前日には、幌尻山荘に泊った方は30名弱だったそうです。
確かに渡渉コースは雨が降ると渡れないので二日連続で予約される方も多いかもかも知れません。
だけどこんなやり方だと、渡渉コースから幌尻岳目指したい個人の方は・・・
こちらから登れないってことになりますよね!!

致し方なくカラッチ隊は、新冠コースから登ることに・・・
その為に、8/17(土)に新冠町役場まで出向き、コースと林道の確認をしました。
つい2、3日前に地元の登山の会長さんと一緒に新冠コースから幌尻岳に登山された課長さんが
丁度お盆休みと言うことで、貴重なお話を聞くことが出来ませんでしたが、
部下の方が丁寧に対応して下さって、車で入れるイドンナップ山荘までの地図などを拡大コピーして下さいました。

北海道新冠郡新冠町にある新冠温泉レ・コードの湯
巨大なログハウスの施設は、温泉、ホテル、レストラン、ラウンジ、野外ガーデンなどがあり、とても気持ちの良い場所でした。
そうそ、この温泉で8/18(日)に、幌尻岳から下山して来られた札幌山びこ山友会の方4人とお会いし、
幌尻岳までの林道や幌尻岳の登山道について詳しく聞くことが出来、カラッチ隊でも登れそうと自信がつきました。
「百名山制覇したあかつきには、カケスとここのレストランで乾杯しようね!」と約束して
長い林道歩きや、険しい幌尻岳の新冠コースを歩いたのでした。

道の駅・サラブレッドロード新冠
も新冠レ・コードの湯から直ぐ近くにあり・・・
道の駅の前の国道を隔てた向かいにはセブンイレブンもあり、小さなスパーも道の駅の隣にあってとても便利で良かったです。
この道の駅には幌尻岳に登る前に3泊、登った後に2泊したのでした。


新冠(にいかっぷ)町は名馬の産出地として有名で・・・
国道235号線から山間部に向かう約8kmの道程には牧場が連なり、サラブレッド銀座通りと名付けられています。
皆さんご存知のファンに惜しまれながら引退した、「オグリキャップ」や「ハイセイコー」もこの地で育成されたのです。
ちなみに道の駅・サラブレッドロードの標識の馬が・・・ハイセイコーですよ!

さて幌尻岳に登るために・・・
R235号(浦河国道)から新冠町に入る手前で左折して県道209(サラブレッド銀座通)に入ります。
やがて県道71と合流した先にある昭和シェルのGSのところを直進します。
すぐに町道岩清水ダム線となり、ここから未舗装で新冠川に沿ってダートな道を走り
岩清水ダム、下新冠ダムと2つの小さなダムを右手に通過し、やっと新冠ダムに着きました。
新冠ダム堰堤を通過し、延々と新冠湖の畔の砂利道を走り、イドンナップ山荘の駐車場に着きました。
林道入口から新冠ダムまでの約2キロで、そこから更に16キロ走りましたよ!
未舗装の大きな穴凹だらけの道で、カケスの車だと時速5キロも出せないような道でした。
車一台がようやく通過できる狭隘な幅員、連続するカーブや未整備の路面、
ガードレールのない断崖絶壁も続くことから、普通車での走行は極めて困難を要します。
大雨の際には林道全体が通行止めになる場合もあるので、注意が必要です。
イドンナップ山荘から2キロ程歩くと奥新冠(北電)ゲートに到着しました。

コースタイム (※ マイペースでゆっくり歩きました コースタイムについては、専門書を参考に行動して下さいね)
8/19 イドンナップ山荘(6:15)→奥新冠(北電)ゲート(6:28)→いこい橋(7:15)→ポロシリ山荘迄10キロ標識(8:43)→
ポロシリ山荘迄5キロ標識(10:05)→奥新冠ダム(11:00)ポロシリ山荘(11:50) 休憩含め・・・5時間35分)

ここからは徒歩で19キロの林道歩き(片道)の始まりです。
標高差350m、林道のアップダウンがあるので累積標高差は600m位かな〜
8/19にイドンナップ山荘前に着いたカラッチ隊、今夜はここで車中泊です。
イドンナップ山荘(無人小屋)にも泊れたのですが、小屋の中の掃除が面倒なので車で寝ました。
翌8/20(火)午前6時15分にイドンナップ山荘前を出発!
本当は2キロほど先の奥新冠ゲート前まで車で行けるのですが歩きました。

イドンナップ山荘 奥新冠ゲート・・・ここから車は入れません

奥新冠ゲートの横(カケスがいる所)をリュックを下ろして、潜って通り抜けます。
横の立て看板には、悪質な登山者による車両乗入や設備損壊の被害の為
鉄製のゲートを設けていると警告してありました。




ポロシリ山荘まで15キロの標識 ・・・ On Mouse  ↑

←   いよいよ長い林道歩きの始まり〜

さていよいよ、林道歩きのスタートで〜す!
丹沢山に登る前にmilkさんから頂いた、マンゴードライフルーツを食べて元気良く歩き初めました。
奥新冠発電所ゲートから3キロ程歩くと、ネットでも悪名高い「いこい橋」に到着!
このいこい橋・・・何が何でも通させないと言う信念を感じさせま〜す(笑)
橋の両側にも柵があるし、柵の上も越えられないようになってる〜
橋の脇を乗り越えて落ちたら、下は深い川なのですぅ〜
しかもリュックも人間も真ん中の回転式になってるゲートを潜り抜けなければいけないのです。
リュックを背負ったままでは決して通れません。
この回転式・・・良く考えたものです。
折畳み自転車などは、前輪を外して下の隙間から通すのだそうですよ!


悪名高い・・・いこい橋 いこい橋を潜り抜けて・・・

いこい橋を渡って、本格的な林道歩きです!
木漏れ日の中、ゆっくり歩き始めます。 だってこれから先長いのですもの〜
ポロシリ山荘まで15キロと標識があり、これから先も5キロ毎にありました。
「あぁ〜 後何キロだぁ〜」って嬉しくなります。
それとは別に北電ゲートからの距離を示す標識もあり、歩く目安になりましたよ。



ポロシリ山荘まで15キロの標識  ↑

←  林道は結構木陰で歩き易かったです!


林道脇には、エゾトリカブト(蝦夷鳥兜)やキツリフネ、オオバミゾホウズキの花が咲き
黙々と歩く林道歩きの疲れを癒してくれます。

エゾトリカブト・・・白花 キツリフネ エゾトリカブト オオバミゾホウズキ

林道歩きの途中で、大理石沢、原石沢、末広の沢などの沢を越えるらしいです。
でも渡渉があるわけではなく、林道の下を沢が通っているので安心です。
とても綺麗な水が流れていて、つい飲みたくなりますが・・・
キタキツネのエキノコックスが心配なので絶対に飲まないようにしましたよ。
この沢を見ながら、朝食兼おやつタイムで〜す!

大理石沢? 林道も少し急坂に・・・

林道歩く前には熊の心配もしたけど、札幌やまびこ山友会の4人組の方のお話を聞いて
その心配も無く歩けました〜(^^)
この林道も出来た当初には車で入れたらしいですが、
大規模な崖崩れや災害が発生して今では通れません。 何箇所か危なっかしい所もありました。
林道の片側が切れ落ちていたり、オーバーハングした岩が林道にせりだしたりで、
林道の幅は充分車も通れる広さがありますが、ちょっと車の通行は無理かも〜




↑  ポロシリ荘まで5キロの標識

末広の沢?  →


カケスの歩く先遠くに、カムイエクウチカウシ山など?でしょうか〜
幾つもの山並みが見えてきました。
どうやら奥新冠ダムも近づいてきたようです。
長いと思った林道歩きも、こうして歩いてみればカケスと一緒に楽しく歩けました。


ようやく奥新冠ダムに到着しました!!
いやぁ〜 ここまで長かった〜 ε- (^、^; はぁ〜
奥新冠ダムは北海道電力が管理を行う発電用ダムで、工事は難航を極め
24名が労働災害で、34名が雪崩災害で殉職し、計58名が新冠川に命を散らしたそうです。
幌尻岳へ向かう登山ルートに殉職者の慰霊碑があり、登山者が手を合わせてます。
ダムの規模こそ中規模だが、
難工事の有様は、同時期に施行された関西電力の「黒部ダム」に匹敵するそうです。

奥新冠ダム ポロシリ荘まで2キロの標識 ・・・ On Mouse で カラッチ

ポロシリ山荘まで後2キロの標識が見えてきました。
ここまで17キロ、よく歩きました〜 
レ(゜゜レ) ガッツだぜなんて言いながらVサインするカラッチでした。
でも・・・ここからの2キロが長かった!!
歩けど歩けど、ポロシリ山荘が見えてこないのですぅ〜^^;
午前11時50分やっとポロシリ山荘に到着です。

ポロシリ山荘 ・・・ On Mouse で 内部

ポロシリ山荘にはまだ早い時間だったせいか、
今日幌尻岳に登ってらっしゃる方達の荷物が、入り口を入った所に置いてありました。
ポロシリ山荘は二階建てになっていたので、取りあえず二階にカラッチ隊の寝る場所を確保するため
二階の窓を開けて部屋の掃除と銀マットを敷き、二人分の寝床の準備をしました。
午後2時ごろに大阪から飛行機で来られたガイド1名と登山者3名の方達が下山してこられました。
どうやら一人の方が足を捻挫されたらしく、手当てをしてらっしゃいました。
これからあの長い林道を歩いて新冠の町まで下られるそうです。
ツアーだと日数に余裕がないので仕方ないけど、無理をされなければいいなと思いました。
その後一人の男性と若いお兄ちゃんが来られ、今夜泊られるようです。
夕方雷と共に雨が降りましたが、そんな中・・・
札幌で現地集合の団体さん10名が、ガイドさん4名と一緒に到着で、
今夜はどうやら全員で20名のようです。
着かれた早々、ガイドさんが「温かい飲み物が出来ました〜」と差し入れさるし、
団体ツアーの方達の夕食は、ガイドさんが到着後に準備をされ、
出来上がったら二階に「夕食が出来ました〜」と持って上がられ、頂かれてましたよ!!
カラッチ隊はそれを横目に・・・
山用のフリーズドライの炊き込みご飯とインスタント味噌汁を作って食べたのでありますぅ〜
明日の登山に備え、談笑もそこそこに早めに就寝しました。

幌尻岳・・・新冠コース

2013年・日本百名山完登の山旅速報

日本百名山完登までの経緯と記録


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