2013年・日本百名山完登山旅
飯 豊 山 (2105.1m) 98座 後編

2013年8月9日 (金) ~ 10日(土)  ガス のち

8/9に弥平四郎登山口から飯豊山に向けて登り始めたカラッチ隊、
亀の歩みながらも、祓川山荘→疣岩(いぼいわ)分岐→三国岳避難小屋→種蒔山→切合避難小屋まで歩き・・・
切合小屋前で美味しい水を飲みながらオムスビとラーメンで昼食でした。


コースタイム (※ マイペースでゆっくり歩きました コースタイムについては、専門書を参考に行動して下さいね)
8/9
・・・後編
弥平四郎登山口(4:35)→祓川山荘(5:00→)水場(6:15)→疣岩(いぼいわ)分岐(8:30)→三国岳避難小屋(9:42)→種蒔山(11:20)
→切合小屋(11:55 昼食 12:30)→
草履塚(13:20 休憩 13:35)→姥権現(14:00)→御前坂(14:35)→本山小屋(15:35)

8/10
・・・後編
本山小屋(5:55)→飯豊山々頂(6:10 ~ 6:15)→山頂直下でガスの為道迷い→御前坂(8:00)→姥権現(8:30)→草履塚(8:50)
→切合小屋(9:25 朝食 10:15)→三国小屋(12:15 休憩
12:30)→疣岩分岐(13:50)→水場(14:00)→弥平四郎登山口(16:30)

さてお腹も一杯になったことだし、そろそろ本山小屋に向けて出発しますか~
切合小屋を出てから登山道は、タカネマツムシソウの咲く道となりました~
カケスの歩く先には、飯豊の盟主・飯豊山が姿を現しましたよ!
何だか手招きされてるようですが、まだまだ先は遠いですぅ~^_^;

飯豊の盟主・飯豊山が姿を現しました~ タカネマツムシソウに見送られ・・・

種蒔山を通過したら、大きな雪渓のトレイルとなりました。
雪渓でも端っこの方にトレースの跡があって歩き易かったですよ~
でも下りは少々気をつけないといけないかもですね。
雪渓の上を歩くのは気持ちいいですね~ 涼しい、涼しい!
雪渓を越えるとハクサンコザクラやチングルマ、コイワカガミ、マイズルソウなどの
お花畑の中を登ってきました。
この辺りで今朝カラッチ隊より一足先に登り始められた同年代の男性が
もう飯豊山々頂を踏んで下山して来られました。
この方凄い健脚で、小さなリュックを背負いとても軽装でしたので・・・
カケスときっと日帰りなんでしょうねって話してはいたのですが、
いやぁ~ それにしても早いです!!


雪渓が現れて・・・ お花畑の中の急登・・・

この辺りまでに咲いていた可憐なお花達!!

チングルマ タカネマツムシソウ マイズルソウ ハクサンコザクラ
ホソバトリカブト
ミヤマウスユキソウ
ハクサンフウロ
ホソバコゴメグサ

コイワカガミ クルマユリ ウメバチソウ コキンレイカ

そのお花達も群生して、流石に花の百名山・飯豊山だなと納得です。
特にタカネマツムシソウは凄い群落で、何処を切り取って写そうか迷うほどでしたよ!
切合小屋を出てからづっと、御前坂の辺りまで至る所で咲いてました。




チングルマもコバイケソウの群落も・・・
この時期まだチングルマが綺麗に咲いているのには驚いちゃいました!
流石に雪深い飯豊山ですよね。


飯豊本邦を見ながら・・・草履塚へ 草履塚の標識前でコースを確認するカケス!

登山道は、草履塚にさしかかりました。
草履塚はその昔、信仰登山する白装束の方達がここで新しい草履に履き替えて
古い草履をこの場所に積んで行ったことから草履塚と呼ばれるようになったそうです。
草履塚から急坂を下りきると姥権現でした。
姥権現は・・・女人禁制の時代にその掟を破り山頂を目指した女性が、
山から下りる時に石にされたと言い伝えられています。
往来する登山者を静かに見守っていました。
カラッチも手を合わせて無事の登山を祈りましたよ!




↑ 姥権現

姥権現の辺りから、胸突き八丁の御前坂を見上げる →

姥権現から見上げる御前坂は、まるで登山者を阻むかのような急登でした。
いやぁ~参った! 胸突き八丁の急登じゃ~ん!
本当に三国小屋からづっとアップダウンの繰り返しで、
もう余力の残ってないカラッチ隊、なかなか前に進めましぇ~ん(-_-;)
姥権現の先が御秘所(おひそ)と言われる岩場で・・・
左右が切れ落ちた細い岩稜の上を登って行きます。
鎖もあるので注意して歩けばそんなに怖くはありませんでした。
でも落ちると怪我だけで済みそうにもありません


御秘所(おひそ)から飯豊山を望む 御秘所の岩場を通過する・・・カケス!

御秘所(おひそ)を越え御前坂を登りきると、テント場らしき場所に着きました。
ハイジちゃんに電話したのはここから(大休憩)でしたよ!
テン場には黄色いテントが一張りだけでした。
ところが・・・このテントの持ち主である横浜からいらっしゃったTさんに、
その後大変お世話になったのでした。
Tさんは大日杉の方から登って来られたそうです。
テン場から空身で飯豊山~大日岳まで往復して来ると仰ってました。


↑ 御西方面に残る・・・御鏡雪を見ながら

最後の急登・・・一ノ王子を見上げる・・・その先に飯豊山・本山小屋 →

御西岳と飯豊山の山頂付近では、
南向きの陽のあたる斜面でありながら万年雪が、新雪が降るまで窪地に残るそうです。
それは日に日に姿を変えながら、まるで丸い鏡のように白く光り輝くのだとか・・・
これを山麓の人々は、「御鏡雪」と呼んだのだそうです。
そうして着いた所が飯豊山・本山小屋への最後の急登でした。
疲れもピークに達したカラッチ、この先の一ノ王子からの急登は本当に亀の歩みでしたよ。
一ノ王子には、石が石垣のように高く積まれていました。
下から見るとこの一ノ王子が山頂かと思ってぬか喜びのカラッチであった!
それでも一歩一歩登れば、山頂が近づいてくるのですね~
一ノ王子のガレ場を登り詰め・・・
やっと午後3時35分、飯豊山・本山小屋(飯豊避難小屋)に到着しました。
実に登山口から休憩も含め11時間もかかっちゃいました~(*_*;
今回の山旅ではほぼ一日おきに山に登ってきたので、疲れもピークに達していたのかも知れません!

飯豊山・本山小屋・・On Mouse で 小屋内部 飯豊神社の鳥居・・・奥の建物の中に神社

本山小屋は施設利用料として、管理人が常駐する時期は一人2000円必要!
管理人が常駐する時期には水洗トイレが使えるそうです。
利用時に水500mlをタンクに入れるか、水がない人は100円を協力金として
料金箱に入れに入れて下さいと言われました。
もちろん避難小屋ですから寝具、食料は持ち込みで~す。
山頂からはガスってなければ、御西岳、その奥に最高峰の大日岳、北股岳なども見えるはずでした。
また条件さえ良ければ朝日連峰、蔵王連峰、安達太良山、磐梯山や
那須連峰、会津駒ヶ岳、燧ヶ岳なども遠望出来ることでしょう~

本山小屋の管理人さんは、べらんめい調で口は悪いが気風は良さそう!
「この日の宿泊客は俺が山頂まで行って来いと言っても、誰も言うことを聞かず行きやしない」
カラッチが「こんなガスの中登っても何も見えないでしょ~」って言うと・・・
「俺の言うことを聞かないと、明日はもっと大荒れで雨が降るぞ~」って返ってきました~
そうしたら本当に夜中は本山小屋の建物が吹っ飛ぶのではないかと
言う程の凄まじい風でなかなか寝付けなかったですぅ~
そうして翌朝は、名物おじさんの言う通り雨!! 
これなら昨日山頂を踏んでおくのだったと思っても後のまつり・・・いやぁ~参った!!

飯豊山々頂(2105.1m)・・On Mouse

思うような眺望は得られませんでしたが、
本山小屋から飯豊山々頂に向かう途中で、イイデリンドウに出会うことが出来ました~
イイデリンドウは、飯豊山だけに見られる固有種で
飯豊山から北股岳の主要縦走路にかけて咲き、濃紫色の星型をした花で、
まさに「飯豊の宝石」と呼ぶに相応しい花でした。
姿といい色合いといい愛らしいイイデリンドウを見ることが出来
とっても感激でした。


飯豊の宝石・・・イイデリンドウ

本山小屋の小屋番の名物おじさんに下山の挨拶をして、いよいよ長い下山に取り掛かりました。
ところが、凄いガスで5m先も見えないほどでした。
順調に下っていると思っていましたが・・・
岩礫の道のはずがどうもハイマツや草が多いことに気づき・・・
どうやら道迷いしてしまったようです。
カラッチがカケスに「元の所まで引き返そうよ~」って登り返していた時、
あのテン場で出逢った横浜のTさんが下山して来られました。
Tさんも濃いガスの為、カラッチ隊が下ろうとした方に向かっていたそうです。
でもカラッチ達二人が登ってくるのを見て間違ってると気づいたそうです。
いやぁ~ あのまま下っていたら遭難していたかも~
時間にして1時間少々のロスタイムでしたが、気がついて本当に良かったです!
Tさんは結局一ノ王子のテン場まで登り、テントを張って飯豊山まで登られたそうです。


そのTさんにもう一度助けられたのです!
下りの何でもないないザレた道で、カラッチが石車に乗って転び、
転んだはずみで、カラッチの体が一回転して尾骶骨を打ったのですぅ~
(その後1ケ月以上も尾骶骨が痛かったですぅ~)
近くには大小の岩もあったので頭を打たなくて本当に良かったです。
それを見ていたTさんが、
持ってらっしゃった軽アイゼンを出して、直ぐにカラッチの靴に取り付けて下さったのです。
カラッチが「大丈夫ですぅ~」と言うと、「まだしばらくこんな道が続くので装着した方がよいですよ」
と仰って前後になりながら一緒に歩いて下さったのです。
御秘所の岩場辺りでお借りしたアイゼンを外して、大日杉の方に下山されるTさんに
丁重にお礼を言ってお別れしました。
まだお若いのにとても親切にして頂いて嬉しい出逢いでした。
過酷な道のりを歩く山だからこそ、人の温かさがより実感できちゃうんですね~(^^)

下りは登って来たコースと同じ道を辿って、弥平四郎登山口まで歩きましたので
画像及び下山道の様子は割愛させて頂きました。
あの馬の背のような松平尾根を飛ぶように走って下る、スニーカーのお兄さん二人組みも
日帰りだそうで、健脚さんもいるものですね~(~o~)
カラッチ隊は本山小屋からの下りだけでも10時間かかってるよぉ~
弥平四郎登山口が近くなったブナ林の下りでも、足が前に出ない程疲れてました!!

遥か先に見える切合小屋や三国小屋に向けて下山! 弥平四郎登山口近くのブナ林

弥平四郎登山口まで下りて車まで戻り、スッパッツなど外し登山靴を脱いでいたら
なんと雷と共に土砂降りの雨となったのでした。
本当に危機一髪で下山途中雨にも遭わず無事に下山できました。
大急ぎで登山用具を車の中に片付けて、車を走らせたのでした。
実は当初、下山後に川入の民宿に泊って疲れを癒してから大朝日岳方面に移動する予定でした。
だけど川入迄入れないので諦めて、飯里から459号線を喜多方まで走り・・・
[花しょうぶの湯」で汗を流そうと思ったけど、もうこの時間では入れないと言うことで
疲れているカケスには気の毒だけど、道の駅・喜多の郷まで走ったのでした。
その途中で美味しい喜多方ラーメンでも食べようと思ったけど、この辺りのお店の閉店の早いこと!
まだ午後8時頃だと言うのに何処のお店も閉まってるんです~(-_-;)
飯豊山であんなに頑張ったって言うのに、仕方なくコンビニのお弁当で夕食でした。
カケスは焼肉弁当、カラッチはスパゲティー!!
野菜サラダや鶏のから揚げ、おでん、ケーキも買って・・・何とも豪華な(笑)食事です。
おまけに道の駅・喜多の郷の「蔵の湯に入れると思ったら、ここも午後7時以降はダメでした。
でもこの道の駅は広くて綺麗で、沢山の車が車中泊してましたよ!

道の駅・喜多の郷

弥平四郎登山口→三国岳避難小屋→種蒔山→切合小屋までのレポ


2013年・日本百名山完登の山旅速報

日本百名山完登までの経緯と記録


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