2013年・日本百名山完登山旅
飯 豊 山 (2105.1m) 98座目 前編

2013年8月9日 (金) 〜 10日(土)  ガス のち のち

8/7に三本槍岳を下山したカラッチ隊、道の駅・しもごうに立ち寄り→289号線→118号線→会津若松へ・・・
49号線→道の駅・西会津で車中泊して、8/8に福島の水30選の「代官清水」に立ち寄って美味しい水を一杯汲み、
樟山を経て飯里を通り、弥平四郎の集落へ、ここからダートな林道を5キロ程走り・・・
飯豊山・弥平四郎登山口まで車を走らせ、駐車場で車中泊したのでした。
この辺りアブが多く、しばらく車の外に出れなかったですぅ〜 アブはエンジンの温もりに寄ってくるのですね!


福島の水30選の「代官清水」を汲む・・・カケス!

無数とも言える前衛の山と幾つかの2000m峰を擁し、
東北では比類ないスケールの山塊を形成する飯豊連峰、その飯豊の盟主が飯豊山です!
古来より信仰によって拓かれた山で、今も本山小屋の脇に飯豊神社の社が建ち
夏には宮司も常駐されるそうです。
標高は大日岳(2128m)の方がわずかに高いが、展望・お花畑・山のスケールは盟主の名に恥じません。
その山容が豊かにメシを盛った形から「飯豊」と名づけられたと言われています。

その昔飯豊山は・・・、「飯豊詣」と呼ばれ、8月の1カ月間に限って
14歳前後の男の子を伴って三日三晩の間、先達の指導で山に篭り、
白装束に身を固めて水ごりをとり、山頂神社でお札を授かって、奥ノ院である大日岳まで遥拝したそうです。
いわばその頃、この地方の成人の儀式でした。

2013年7月の豪雨で、川入登山道に至る林道が寸断されてしまったそうです。
通行止め区間・・・林道川入線、林道飯豊檜枝岐線・一ノ木線、市道川入・飯豊山線
 ※ 林道決壊の為、喜多方市山都町から飯豊山には入れませんので、喜多方市にお問い合わせ下さい。


道路崩落の様子・・・喜多方市HPより

コースタイム (※ マイペースでゆっくりゆっくり歩きました コースタイムについては、専門書を参考に行動して下さいね)
8/9
(赤・・・前編)
弥平四郎登山口(4:35)→祓川山荘(5:00→)水場(6:15)→疣岩(いぼいわ)分岐(8:30)→三国岳避難小屋(9:42)→種蒔山(11:20)
→切合小屋(11:55 昼食 12:30)
)→草履塚(13:20 休憩 13:35)→姥権現(14:00)→御前坂(14:35)→本山小屋(15:35 )
8/10
本山小屋(5:55)→飯豊山々頂(6:10 〜 6:15)→山頂直下でガスの為道迷い→御前坂(8:00)→姥権現(8:30)→草履塚(8:50)
→切合小屋(9:25 朝食 10:15)→三国小屋(12:15 休憩
12:30)→疣岩分岐(13:50)→水場(14:00)→弥平四郎登山口(16:30)

カラッチ隊は、当初予定していた弥平四郎登山口から長坂コースを登りま〜す。
駐車場から少し下り、大きな看板を見て祓川へと下り・・・
祓川に架かる橋を渡って、向こう岸の小高い所を越えていきます。
尾根に取り付き、気持ちの良いブナ林を歩くこと10分ほどで祓川山荘に着きました。

弥平四郎登山道の案内・・On Mouse で 橋 祓川山荘

祓川山荘は二階建ての立派な無人の避難小屋で、導水してあって炊事場使えるそうです。
何だか幽玄な感じのする小屋でしたよ!
最初はブナ林の中の快適な道でしたが、30分も歩いた頃から急登の連続となりました!
しかも谷に向いた斜面なので、滑りそうで歩きにくいトレイルでした。
木の根が張り出した急登もグングン登っていきます。


急な尾根道を頑張って登ると、北側の遥か彼方に疣岩山が見えてきました。
小さな沢を登山道が横切る箇所(十森らしい)を通過!!
十森は小さい溜りがあり流れは少ないので水場とも言えない感じであった。
急な登山道を更に登り、松平峠へ・・・
ここからは疣岩山への稜線や三国岳の稜線が見えるらしいけど、ガスって何も見えず!
どうやら一番の難所と言われる松平尾根に出たようで〜す。
急峻な痩せ尾根の砂岩に近い感じの滑りやすい道で、少し緊張しながら歩きましたよ!
右側の斜面は切れ落ちていて、ここから下を眺めると怖い〜

?の咲く道・・・ 馬の背のような松平尾根・・・On Mouse

松平峠からは胸突き八丁の道となりました〜
見晴らしの良い二本のダケカンバの大木がある所(猪鼻)で先行者が休んでいました。
ダケカンバも現れ、確実に高度を上げてきているようです。
ダケカンバの木の辺りに、「清水→」の標識があり水場があるようでしたが、
水場までは急傾斜で危険な道のようだし、充分水は担いでいるので通過します。
頑張って急斜面を登ると、疣岩分岐で右に行くとこれから目指す三国岳に向かいます。
疣岩山(いぼいわやま)の名前の由来は、
山麓から飯豊連峰を眺めた時に、疣岩山の山頂部が疣(いぼ)のように見えるかららしい!

猪鼻へ・・・ こんな斜面も登り・・・ 尾根道に向かって、一旦下り・・・

新長坂コースは飯豊山では傾斜が緩く楽なコースと言われていますが、
ヤセ尾根の猛烈な急登が続き、流石に盟主・飯豊山だと思い知らされますぅ〜

そんな中・・・この辺りに咲いていた白いお花達!!

ギンリョウソウ ヤマブキショウマ センジュガンビ

疣岩分岐まで来るとそれまでの急登も終わり、なだらかな稜線歩きとなりました。
大日岳の展望台と言われる疣岩山は、山頂からのパノラマは圧巻なのだそうです!
疣岩山へは尾根の北側を大きく迂回して頂上へ出ました。
疣岩山の直下を西に巻くと、しし沼への分岐がありましたが、しし沼には寄らず先に進みます。
疣岩山から主稜線の峰々や飯豊連峰の最高峰・大日岳の大展望が望めるはずでしたが、
一面のガスで思うように視界は得られないですぅ〜^^;
だけど一瞬・・・カケスの歩く先はるか彼方に、
種蒔山・七森・三国岳へと連なる飯豊連峰の主稜線見えたのでした。
あぁ〜 まだあの先まで歩かなければと思う反面・・・
奥深い飯豊連峰の片鱗を垣間見た気がして嬉しかったで〜す!

種蒔山・七森・三国岳へと連なる飯豊連峰の主稜線ガ見えた!

三国岳まで緩いアップダウンを繰り返しながら、意外と長いコースでした。
やっと三国岳避難小屋に到着!!
優しそうな笑顔で三国小屋の管理人さんが出迎えて下さり、ここまでの疲れも吹っ飛びました。
三国小屋は通過地点として宿泊客も少ないと仰ってました。
三国小屋で地蔵山(川入から長坂を越えて)からの道と合流します。

後10分で三国岳避難小屋・・・頑張れ 三国岳避難小屋前で・・・

三国避難小屋は、その名のとおり
福島・山形・新潟の県境をなす三国岳の山頂に建つ避難小屋です。
平成16年に改修されたそうで、とっても綺麗な小屋でした。
天気が良ければ、ここから大日岳を望むことが出来ますが・・・今日はガス!!
三国小屋を後に急坂を少し下り、稜線の道を種蒔山へ険しい道が続きます。
2回目の朝食のパンとフルーツを食べて三国小屋を後にしました。

三国岳から種蒔山に ・・・ On Mouse で振り返って見た三国小屋 おぉ〜 目の前に見えてきたのは・・・

飯豊本山へはこの先・・・七ツ森→種蒔山→切合小屋へと幾つかのピークを
登下降しながら高度を上げていきま〜す。
おぉっ、早速短いけど三連の梯子が現れました〜
登山道脇には色違いのハクサンシャジンが咲いてます。

短いけど梯子が三箇所・・・急登! ハクサンシャジン・・・白花 ハクサンシャジン

飯豊山はお花の山で、この時期(8/9〜8/10)でも沢山のお花達に出会えて感動 !!
8月も中旬近くになると夏のお花と秋のお花の過渡期になるのだけど、
雪深い飯豊山ならでは、沢山のお花が咲いてました。
ハクサンコザクラ、ヒメサユリ、シラネアオイ、チングルマ、コイワカガミ、アオノツガザクラなど春の花・・・
そうしてタカネマツムシソウ、ウメバチソウ、ハクサンシャジン、ミヤマコゴメグサ、オヤマリンドウ等の秋の花が
色とりどりに咲き誇り、疲れを癒してくれました。
このお花達に出会えただけでも登って来た甲斐がありま〜す♪

タテヤマウツボグサ モミジカラマツ オトギリソウ アオノツガザクラ
スダレギボウシ オヤマリンドウ ミヤマトウキ? クルマユリ

カラッチが今日一番感動したのは・・・
逢えないと思っていたヒメサユリとシラネアオイに出逢えたことでした〜♪
もう〜感激しまくりでカメラを構えるカラッチでした〜(^^)v
山野草にはほとんど興味を示さないカケスも
初めて見るヒメサユリに、「可愛い花だな〜」と感動した様子! 良かったねカケス君!!

ヒメサユリ ・・・ On Mouse で アップ画像 シラネアオイ ・・・ On Mouse で アップ画像

ヤマハハコ ヨツバシオガ ツリガネニンジン? オヤマリンドウ

痩せ尾根や露岩を越えますが、そんなに難しいトレイルではありません!
稜線の北側の登山道は、少し荒れ気味で歩きにくかったかな〜
この辺りが頑張りどころでしょうか〜(^^ゞ 手足総動員で登っていきます。
沢山のお花達が頑張って〜と応援してくれてるようでした。


咲き乱れる花々に元気を貰いながら歩いて行くと、前方に盟主・飯豊山でしょうか〜
薄っすらですがお椀を伏せたような山塊が見えてきました。
沢山の花が咲き乱れ、心癒される花の道を切合小屋目指して進みます。
白くザレた道を歩いて行くと前方に切合避難小屋が見えてきました。
おぉ〜 やっと切合小屋に到着!!
ここまで長かった、登山口から7時間以上かかちゃいました〜^^;

実は三国小屋から、今歩いている飯豊山の登山道は、福島県で ・・・ 登山道の右側が山形県、左側が新潟県となるそうです。
このように不思議な県境ができたのは、明治時代の飯豊山領有権争いの結果なのだそうです。
明治維新後の廃藩置県で、旧会津藩領を含む福島県の県庁を福島市とした際に、元会津藩領の津川を含む北蒲原郡を新潟県に編入しました。
飯豊山神社の麓宮がある福島県の一ノ木村(今の喜多方市山都町)が猛反対して、
明治38年に、麓からの登山道を含む飯豊山頂付近や飯豊山神社の奥宮を福島県領として決着したという経緯があります。
そのような結果、飯豊山は福島県の土地として、山頂付近まで細長い県境が強引に伸びているのです。
実は、主峰の飯豊本山手前にある飯豊山神社への参道(登山道)が県境で、途中の約4キロメートルの幅は1メートル足らずしか無いのです。
つまり飯豊山の登山道が飯豊山神社への参道で、参道そのものが細長い福島県となるのです。


飯豊山を眺めながら・・・ 切合避難小屋が目の前に・・・

切合小屋は飯豊山登山の宿泊場所として絶好の位置にあり、
三つの避難小屋の中でも最も多くの利用者があるそうです。
長い行程の飯豊山なので、飯豊本山に登る前と下りに泊る人が多いのでしょうか〜
実際に 途中で出逢った女性グループは、切合小屋に二泊して飯豊本山を目指すと仰ってました。
夏期の管理人の常駐期間は、水を小屋近くまで引いてあり水の補給が出来ます。
(素泊 2,500円・1泊2食 6,200円(米3合持参)・(米なしの場合は7,200円)
また宿泊の場合、事前に連絡必要で、収容人数は約100名だそうです。

切合避難小屋 ・・・ On Mouse で 綺麗な簡易水洗式トイレ 切合避難小屋の豊富な水場

カラッチ隊も丁度お昼なので、この冷たいお水でまずは喉を潤し
オムスビとラーメンでお昼ご飯にしました。
切合小屋のこのお水の何とも美味しかったこと、勿論ラーメンも・・・
トイレも最近改装されたらしく、立派な建物で簡易水洗式(100円)の綺麗なトイレでした。
お水が豊富なだけあって、トイレの前にも沢山のお水が流れて快適でしたよ!
三国小屋や本山小屋のトイレでは水が無い為、自分でペットボトル500ml準備する必要があります。
カラッチ隊は、本山小屋(飯豊避難小屋)に泊まるので先に進みます。

ここから先のレポは全部アップすると容量が大きくなる為・・・続き を見てね!

切合小屋→草履塚→姥権現→御前坂→本山小屋(泊)→飯豊山々頂→下山レポ

2013年・日本百名山完登の山旅速報

日本百名山完登までの経緯と記録


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