北アルプス西(裏)銀座ダイアモンドルート縦走


薬師岳(2926m)・黒部五郎岳(2840m)・鷲羽岳(2924m)水晶岳(2986m)


2012年8月25日 (土)〜8月29日(水)

水晶岳山頂から遠くに富士山・南アルプス・・・常念岳〜槍ケ岳・・・そうして中央に水晶小屋

四日目 8/28(火) 

水晶岳岩苔乗越→祖父岳→雲ノ平→薬師沢小屋(泊)

水晶岳は、富山市南東部に位置する標高2986mの飛騨山脈(北アルプス)の山です。
山頂は切り立った双耳峰の山で、
山頂近くで水晶が採集されることが山名の由来であり、
別名「黒岳」とも呼ばれることもあります。
北アルプスの主稜線から外れた位置にあるため、立ち寄りにくい山であったが、
百名山ブームの影響もあり、近年登山者が増えているようです。
実際カケスが10年前に登った時(9月初め)は、
この近辺の山には登山者は数える程しかいなかったが、
今回、どの山も余りの人の多さに驚いていました。
この山も北アルプス最深部にあるため、長野県の高瀬ダムから入山し、
槍ヶ岳へと至る裏銀座コースの一部として踏まれることが多いそうです。
また山頂の岩場からの眺望は、大天井岳〜常念岳〜槍ケ岳など槍穂高連峰・・・
黒部湖や後立山連峰の山々、富士山から南アルプスの山並み、
乗鞍岳や御嶽山など素晴らしい景色を堪能することが出来ま〜す。

コースタイム (※ 本当にゆっくり歩きました コースタイムについては、専門書を参考に行動して下さいね)
水晶小屋(4:20)→水晶岳山頂(5:05)→水晶小屋にて朝食(6:10〜7:25)→ワリモ北分岐(8:05)→岩苔乗越(8:15)
祖父岳山頂(9:30〜9:50)→雲ノ平小屋(11:10)→昼食(岩陰で20分)→雲ノ平・奥日本庭園(12:00)
→木道終わり(12:40)→薬師沢の苔むした岩ゴロの急坂→薬師沢小屋(15:20)

水晶岳でご来光を拝むため、午前3時半に起きて身支度後、カメラと水のみ持って
4時20分にヘッドランプをつけて登り始めました。
昨夜の夕食時にご一緒した名古屋のご夫妻が少し遅れて出発されたようで、
二つの灯りが後に続いていました。
昨夜、ご来光の時間を小屋で確認したところ、「午前5時10分頃でしょう〜」とのことだったので
小屋から水晶岳までコースタイムで40分ですが、少し余裕を持って出発したのです。
午前5時9分、裏銀座縦走路の稜線から陽が上り始めました〜
名古屋のご夫婦は山頂まで間に合わなかったようで、山頂直下で撮影中です。
山頂にはカケスとカラッチ・・・二人っきり〜
こんな素晴らしいご来光を眺めながら、幸せな時を迎えることが出来ました〜♪
今日まで三泊四日・・・頑張って歩いて来たご褒美でしょか〜
ピース!(v^-^v) ピース!

神様に感謝! 水晶岳に感謝! カケスに感謝!

初日に歩いた薬師岳を赤く染めて・・・モルゲンロート

水晶岳(2986m)は、岩峰鋭い双耳峰で
山頂に至るルートはガレていて、途中には梯子もありました。
カケスが気をつけて登るようにと、振り返って見ています。
山頂手前の岩場辺りに水晶があるらしいけど、暗くて確認出来ませんでした。


水晶岳山頂(2986m)・・・( On Mouse )

それでは、水晶岳からの素晴らしい眺望をじっくりお楽しみ下さ〜い!

モルゲンロートに染まりゆく水晶の頂・・・薬師岳・・・赤牛岳・・・後方の彼方に剱岳・立山連峰の峰々・・・そうして黒部湖(右上)も・・・

そのままズーム・・・裏銀座縦走路の後方に剱岳・後立山連峰・五色が原・・・と黒部湖

刻々と変化する眺望に息をのみますぅ〜
ネット友の karin さんからこんな素敵な句を頂きました〜
「 天空の 水晶の峰で 酔うカラッチ 」
本当にその通り・・・この景色の中にいる幸せに酔いしれてましたよ!

常念岳の彼方に富士山・南アルプス・・・北鎌尾根に続く槍ケ岳・・・中央に小さく水晶小屋

歩いて来たワリモ岳・鷲羽岳の左後方に・・・奥穂高岳・ジャンダルム・西穂高岳

二日目に歩いた黒部五郎岳の見事なカール・・・手前に雲ノ平

水晶岳からのワリモ岳・鷲羽岳・・・左後方に槍穂

水晶岳からの素敵な眺望を何時までも楽しみたいところですが・・・
今日はまだ祖父岳に登り、雲ノ平を通って薬師沢を下るので今日の行程も長いので〜す!
水晶小屋でご一緒した「うーさんさんご夫妻」も山頂に登って来られたので、
お互いに記念写真を撮り合って情報交換しました。
(上ベイさんの写真・・・一眼レフなのでとても綺麗です。 カラッチも2枚程お借りしました)
カラッチ隊、一足お先に水晶小屋まで戻ることにしましょう。


水晶岳から下るカケス&カラッチ・・・水晶小屋で出会った上ベイさんが撮影!

鷲羽岳・ワリモ岳・・・槍ケ岳・穂高を見ながら、水晶小屋に戻るカケス!

水晶小屋まで戻る途中にもづっと槍穂を眺めながらでしたよ!
小屋の上にちょこんと聳えるのが赤岳で、この山も2900mあるのです。


水晶小屋が近づいて・・・常念岳・北鎌尾根・槍ケ岳・・・小屋の上のピークが赤岳(2900m)

水晶小屋の朝ご飯 後立山連峰・白馬三山・・・黒部湖

水晶小屋に戻って遅い朝食を頂いていると、上ベイさん夫妻も下山してこられました。
一緒に朝食を頂きながら、お話していると・・・
上ベイさんはカラッチのHPを何度か見たと仰ってました〜^^;
水の少ない水晶小屋では、宿泊客のみ500mlの水を100円で分けて下さるのすが、
上ベイさんが「一枚残っているので使って〜」と下さったのです。
そのお水が雲ノ平でとっても役立ったのですぅ〜

上ベイさんご夫妻は、
カラッチ隊と反対コース・・・これから鷲羽岳〜黒部五郎岳へと歩かれるそうです。

ワリモ北分岐 祖父岳に向かうカケス!

水晶小屋に向かう時に通った、三俣蓮華岳・水晶岳・雲ノ平への分岐である
ワリモ北分岐まで下って、雲ノ平・高天原方面に向かって歩きます。
そうして祖父岳(2825m)
を越えて薬師沢を目指します!

岩苔乗越・・・ここを下ると高天原・・・向こうに薬師岳 振り返れば・・・水晶岳

づっと下って、やがて岩苔乗越(いわごけのっこし)に着きました。
岩苔乗越は、富山県の黒部川の源頭に位置し、
ここから黒部の源流を辿ったり、高天原方面へ向かったり、
祖父岳を越えて雲ノ平に行ったりと、結構重要な交差点のようです。
高天原温泉は一度は浸かって見たいと思っていたけど・・・
おそらくこの山域には二度と足を踏み入れることは出来ないでしょ〜


水晶岳からあの雪渓の上の縦走路を下ってきたんだよね! ワリモ岳・鷲羽岳・・・向こうに槍穂

ワレモ岳も鷲羽岳も高く感じるようになってきました。
こちら側から見る鷲羽岳の方が、鷲が羽根を広げてるように見えませんか〜
うん!?! 犬の顔に見えるって〜(笑)
そうそう、上の左の画像の下り辺りで水晶小屋の主に会ったけど
「これから三俣山荘まで行く」と言って、長靴履いて
づんづん黒部源流方向に下って行かれました。
その足の速いこと・・・(◎-◎;)驚き!


祖父岳に向かう途中・・・ワリモ岳の底辺り黒部源流から登ってくる人が見えました

祖父岳に向かう・・・鷲羽岳もこんなに低くなって〜

祖父岳(2825m)に到着しました〜
祖父岳は、ガレ場に沢山のケルンが積み上げられた広い平地でした。
でも眺望は抜群!!
黒部五郎小舎や水晶小屋でも一緒になった15名の団体さん達は、しきりに写真撮影のようです。



↑ 祖父岳(2825m)から・・・水晶岳

← 祖父岳からの・・・槍ケ岳・穂高


祖父岳から雲ノ平への下りは、岩(石)が積み重なったような滑り安いトレイルで
石車に乗らないように気をつけて歩きましたよ。
いよいよ雲ノ平を歩きま〜す!
雲の平は、日本最後の秘境とも言われ・・・
祖父岳の火山により形成され、黒部川の本流とその支流岩苔小谷に挟まれた
標高2500〜2700mの日本で最も高い位置にある溶岩台地で、面積は25万平方mにも及ぶそうです。
池塘と岩が点在する高山植物の宝庫で、それぞれ○○庭園と名付けらた庭園があります。

雲ノ平方面に向かって歩くカケス・・・後方に薬師岳 いよいよこれから雲ノ平へ・・・後方に薬師岳

カケスの前方に雲ノ平山荘が見えてきました〜 雲ノ平山荘

だけどカラッチ達が歩いたのは8月下旬、お花は殆ど見られませんでした〜^^;
しかも時刻は丁度正午、照りつける太陽が暑くて・・・
日本最後の秘境を楽しむより、何も太陽を隔てる物がない木道とお別れして
薬師沢の木陰に入りたいと思ったのでした〜(汗)
それで、ここで役立ったのが何時もより多い500mlのペットボトルの水!
そうです、水晶小屋であの上ベイさんに頂いた券で交換して貰ったお水でした。
雲ノ平小屋にも寄らず、奥日本庭園の先の岩の陰で昼食タイム!
祖父岳からキャンプ場に至る登山道が自然保護のために通行禁止になり、
迂回路を歩くようになった為、
カケスが言うには以前よりかなり長い距離の木道を歩くみたいです。


奥日本庭園から見る・・・水晶岳 黒部五郎岳をこの目に焼き付けて・・・

雲ノ平の木道が終わり、やっと薬師沢に入った
と・・・その時
カラッチは安堵したのですが・・・その薬師沢の下りが大変な道だったのですぅ〜
カケスから「薬師沢は虫が多いよ」と聞いていたので
虫除けスプレーをしっかり振り、帽子の先の内側にサロンパスも貼って歩きました。
いえいえ大変だったのは虫ではありましぇ〜ん!
最初の方こそ緩やかに下っていたのですが、大きな岩がゴロゴロして
しかもその岩が苔むして、少し油断をすると滑りそうになるのです。
余りの岩ゴロの急坂を下って行くので、カメラを出す余裕も無くて
画像は、左下の一枚だけでした〜^_^;
これでもかなり斜度の緩い安全な所で写した画像なんですよ!
手足総動員で、時には後ろ向きになり安全を確認しながら下りましたよ!
あの15名の団体さんも下ってきましたが、カラッチ隊の後の方から何か叫び声が・・・
何でもお一人の女性の方が岩におでこをぶっつけたようでした。
後で小屋でお聞きしたら大したこと無かったそうで良かったね。
もしこの薬師沢で捻挫でもしたら、とてもヘリコプターなど着地出来るような場所も無く
おそらく人力で担ぎ上げて運び出して貰うしかないでしょう〜
カラッチ達が歩いた時は晴天続きでしたので、これでも滑りにくかったのだけど、
雨でも降ったら、この下りは大変で〜す!
おぉ〜 クワバラ、クワバラ・・・気をつけて下りましょう〜


薬師沢の苔むした岩ゴロの下り この梯子を下って・・・黒部川出合に

岩ゴロの道もそろそろ終わりかなという頃、沢の音が聞こえてきました。
やったぁ〜 やっと黒部川出合だぁ〜
長い鉄の梯子を下ると、雲ノ平・高天原の分岐の標識があり、
そのまま川伝いに歩いて、赤い小さな鉄橋を渡り、今度は赤い鉄の階段をまっすぐ上に登ると
下の画像の赤い吊橋を渡り、薬師沢小屋でした。
やったぁ〜 着いたぁ〜(#^.^#)


赤い鉄橋を渡って、薬師沢小屋へ・・・ 下を見ると結構怖いですぅ〜

小屋の入り口前には、手も浸けられない程冷たいお水がどんどん流れ、
その中にビールやジュースが冷やしてありました、
カラッチ・・・空になった300mlのペットボトルに、その冷たい水を入れ一気飲みしてると
薬師沢小屋前のベンチでビールを飲んでおられたおじ様が、
「ハイ、これを飲みんしゃい」と言ってビールを注いで差し出して下さったのです。
が、しかし・・・下戸のカラッチ、丁重にお礼を言ってお断りしたら、
そのおじ様・・・
「これを飲めばいっぺんに疲れも取れるのに〜」と残念(?)がっておられましたよ!
この薬師沢小屋には、沢登りや渓流釣りなどでも宿泊される方も多いらしく
先程のおじ様達もどうやら渓流釣りされるようです。
またザイルやヘルメットなどの重装備の方もおられたので、
赤木沢や上ノ廊下、下ノ廊下など・・・沢遡行を楽しむ方もいらっしゃるのでしょうか〜

薬師沢小屋・・・素敵な小屋でした! 赤い吊橋の下は、こんな清流が流れてました

黒部川出合にあるこの薬師沢小屋前の、赤い吊橋下の水の色・・・見て下さぁ〜い!
富士山の伏流水に負けない位の透明度でしたよ!
こんなに澄み切ったお水ですもの、美味しい筈でしょ〜
薬師沢小屋の中の洗面所(飲水兼用)の水道の栓は、勢い良く開けっ放しでしたよ。
何でも水道の栓を閉めると、砂が溜まって水の出が悪くなるのだそうです。
カラッチ隊は二階の部屋に通されましたが、長時間歩いたので
真っ直ぐな階段を登るのが億劫で一階に変更して頂きました。
今日は一人一枚のお布団にゆっくり眠れそうです。
トイレもバイオトイレ(おがくず)でとても衛生的でした。
同じ仕切りの中で一緒になった若い女性は、明日薬師沢を登って雲平から高天原を目指すそうです。
あの岩ゴロの急登をお一人で歩かれるなんて勇気あるなと思いました。
薬師沢小屋の夕食も朝食もとっても美味しくて、心のこもったお料理でした〜
また従業員の方の心配りも行き届いて、良い小屋だなと思いましたよ!
こんなに水が豊富ならば、
薪が調達出来れば五右衛門風呂でも沸かせるのになと思いました。
カラッチ的には、この薬師沢小屋・・・☆☆☆☆☆の山小屋でした。
こんなに素敵な宿なら、もう一度この小屋に泊まりたいなと思っちゃいましたよ!


薬師沢小屋の夕食・・・( On Mouse )で朝食


五日目 薬師沢小屋→カベッケ原→太郎平小屋→折立

一日目 折立→薬師岳→太郎平小屋(泊)レポ

二日目 太郎平小屋→北ノ俣岳→黒部五郎岳→黒部五郎小舎(泊)レポ

三日目 
黒部五郎小舎→三俣山荘→鷲羽岳→ワリモ岳→水晶小屋(泊)レポ 

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