北アルプス西(裏)銀座ダイアモンドルート縦走


薬師岳(2926m)・黒部五郎岳(2840m)・鷲羽岳(2924m)水晶岳(2978m)


2012年8月25日 (土)〜8月29日(水)

8/26早朝・・・太郎平小屋前からの薬師岳

8/26早朝・・・太郎平小屋前からの向かって左より水晶岳・ワリモ岳・鷲羽岳・黒部五郎岳


二日目 8/26(日) 

太郎平小屋→北ノ俣岳→黒部五郎岳→黒部五郎小舎(泊)

黒部五郎岳は、富山県富山市、岐阜県飛騨市及び高山市にまたがる飛騨山脈の標高2840mの山で
立山連峰が巨大な薬師岳より南下して、
太郎兵衛平から北ノ俣岳を経て続く、なだらかで広々とした稜線の先に、
巨大な圏谷(氷河の侵食作用によってできた広い椀状の谷)を抱く、特異な山容を見せるのが
黒部五郎岳であり・・・
その圏谷(カール)底に立つと、荘厳な雰囲気すら感じられます。
自然の造形の妙を遺憾なく発揮した山で、山頂付近は岩が積み重なった砂礫地で〜す!
人名のような山名ですが、「五郎」は、山の用語であるゴーロで
大きな岩がゴロゴロした場所が山名の語源だそうですよ。

また黒部五郎小舎の周辺は、平らで池塘が点在し、多くの高山植物の群生地となっています。


コースタイム (※ 本当にゆっくり歩きました コースタイムについては、専門書を参考に行動して下さいね)
太郎平小屋(4:40)→朝食(休憩含む・・・40分)→北ノ俣岳小屋跡(6:50)→北ノ俣岳山頂(7:30)→北俣乗越8:35)
黒部五郎岳取り付き(10:55)→黒部五郎の肩(11:55)→黒部五郎岳山頂(12:15)→カール下り手前で昼食(30分)
カール下り始め(13:10)→カールの底(13:50)→黒部五郎小舎(15:15)泊

昨日、薬師岳に登り太郎平小屋まで戻ったカラッチ隊、
夕食後早めに休み疲れをしっかり取り、翌日に備えたのでした。
今日(8/26)の行程も長いので・・・p(#^∇°)q ファイトッ!
最初は、太郎兵衛平の緩やかな木道を北ノ俣岳を目指して歩き始めます。
やがて木道は二手に分れ、左に行くと薬師沢の方に下るようです。
私達は、黒部五郎岳目指して北アルプス西銀座ダイアモンドコースを歩くので右に進みます。
振り返ると昨日登った薬師岳と太郎平小屋が見送ってくれていました。

太郎平小屋前からの北ノ俣岳方面 振り返ると・・・昨夕歩いた薬師岳と太郎平小屋 右方向の黒部五郎岳方面へ・・・

太郎平小屋では朝食を食べないで出発したので
薬師岳の稜線の肩へのご来光を見ながら、太郎平小屋特製の竹の皮に包まれたちらし寿司を頂く!
二人分お願いしたのですが、結構な量があったので一人前を二人で食べ・・・
後は行動食のパンやブランデーケーキ、梨などを美味しく頂きました。
カケスはなんと歯磨きまでしていますよ!

薬師岳の稜線の肩に日が昇る!

北ノ俣岳につながる稜線にたどり着くと正面に黒部五郎岳とこれから歩く北ノ俣岳、赤木岳が見える。
黒部五郎岳の奥には・・・笠ヶ岳
こんな山を見ながらの稜線漫歩にカラッチとカケスの心は躍る!!
昨日の疲れはウソのようにカラッチの足取りも軽いですぅ〜


ほんの少し見えた槍の穂先! 中央に笠ケ岳・・カケスの視線の先に黒部五郎岳 槍の穂先がはっきりと見えてきた!

太郎平から黒部五郎岳まで、西銀座ダイヤモンドコースと呼ばれる最高の展望を持つルートだ!
太郎平から北ノ俣岳、赤木岳となだらかな稜線のその先に
槍ケ岳の穂先が一番最初に目に飛び込んできました〜
そうして北アルプスの全ての山と言っても過言でない程の景色が広がっていたのです。
正面に水晶岳、雲の平、黒部五郎岳、笠ヶ岳、乗鞍岳、御嶽山を望みながら、
次第に薬師岳の左側に、肉眼では剱岳も見えましたよ!

このコースがダイアモンドルートと言われる所以は、づっとこんな景色を見て歩けるから・・・

向かって左より・・・黒部五郎岳、奥に笠ケ岳そうして雲海に浮かぶ乗鞍岳・御嶽山

何処までも続く青い空に、今日の眺望は期待して良いでしょうか〜
砂礫の道も今日はそう気にはなりましぇ〜ん(笑)
カラッチの足取りも自然と軽くなっちゃいますぅ〜
4年振りの本格登山で、こんな景色に出会うなんてカケスに感謝で〜す!
「昨日頑張って薬師岳から太郎平まで歩いたご褒美だね!」ってカケスに言うと、
「今日は頼むよ、母さん!」ですって〜(汗)
そんな砂礫の道につがいの雷鳥が仲良くお散歩中でした。
ふふっ、まるでカケスとカラッチみた〜い(#^.^#)
近くに雛鳥がいるかと探したけど、見当たらず残念!

カケスは二度目の道・・・ 雷鳥の親子

肉眼でも槍がはっきり確認出来ます 北ノ俣岳山頂(2661m)・・・( On Mouse )

北ノ俣岳あたりから鹿島槍、五竜岳、白馬岳そして立山に剱岳まで北アルプスの山々が
オールキャストで出迎えてくれました。
他のルートではここまでの山々の展望を一堂に臨むことはないと思われ、
ダイヤモンドコースと呼ばれる人気のルートだと言うことが
このルートを歩いた者には納得できま〜す♪


槍ってこんなに尖っていたっけ!・・・惚れ惚れしちゃうね!

赤木岳の山頂は通過せず北側を巻きます。
この辺りを前後して歩く親子連れのご家族の息子さんは、まだ小学5年生だそうです。
お父さんが如何にもアルピニストと言う感じで、お母さんは山ガール風!
「僕、今からこんな山歩いて凄いね。 将来はアルピニストだね」
「大きくなってエレベストやマッキンリーに登ったら、おばちゃんに教えてね」って
声を掛けると恥ずかしそうでした。


親子三人連れとカケス 西銀座ダイヤモンドルートの核心部分を歩くカラッチ( On Mouse )

次のポイントの中俣乗越に向かうカラッチ隊!
中俣乗越は、赤木岳から下りきった黒部五郎岳の手前にある小ピークの手前のコルのことで・・・
この辺りも本当に稜線漫歩!!
今まで歩いた山やこれから歩く山などが迎えてくれましたよ〜(^^)
雲海に浮かぶ乗鞍岳、御嶽山、そうして白山・・・なんて美しい景色の中に今、自分はいるんだろう〜
至福の時を味わいながら歩きましたよ〜♪


次のポイントの中俣乗越に向かうカラッチ!

中俣乗越を越えていったん右側に登り、
そして小ピークの黒部川側に巻きながら小ピークの裏側に出ます。
中俣乗越から黒部五郎岳山頂まで約2時間のコースタイムらしいけど、
果たしてカラッチにこの時間で歩けるでしょうか〜
う〜ん、聳える黒部五郎岳を目の前にしたら、急に弱気になるカラッチであった!

大きな岩場通過中のカケスと黒部五郎岳 中俣乗越(赤木岳から下った黒部五郎岳の手前にある小ピークの手前のコル)に向かって

ここから望む湿原の池塘がとっても綺麗でした。
小ピークを回り込むと正面に黒部五郎岳が見えてきました。
カケスが黒部五郎岳の山頂の左の白い部分が黒部五郎岳の肩だと言う!


黒部五郎岳への登り 黒部五郎岳への登り・・・きつい登りでした〜^^;

「えぇ〜これを登るの〜」
大きな斜面が立ちはだかるように感じられ、急に意気消沈するカラッチであった!
特に登りになると息づかいが荒くなり・・・
吸って吐くだけなのに、何故かタイミングが合わないというか、
自分でもお腹いっぱいに空気を吸い込む要領が悪いような気がします。
何年登山やってるのか〜って言われそうですが、
肺活量が人並みはずれて低いカラッチ!
やはり肺活量を上げる運動(水泳とか)をやらないといけないのかなぁ〜
でも溜息ついていても、登らないといけないのです!
牛歩のカラッチですが、一歩一歩頑張るとしましょ〜レ^_^レ ガンバ!!


ハイマツの中に咲くホツツジ(穂躑躅) 黒部五郎岳の山頂直下のガレ場

黒部五郎岳の肩の辺りは砂礫のトレイルでした。
黒部五郎岳の肩にリュックをデポして、空身で山頂を目指します。
が・・・あんなに良いお天気だったのにぃ〜 
ガスが沸いてきました。
山頂は午前10時までに到着しないとガスが沸き始めるっていうのに、
もう〜時計の針はお昼を回っていま〜す!


黒部五郎の肩(左隅・中央の広場)にリュックをデポして・・・ 黒部五郎岳の山頂(2840m)・・・( On Mouse )

黒部五郎岳山頂からは、360度素晴らしい展望だったはずですが・・・
これだけガスが沸いてきたら致し方ありません!
まぁ〜午前中に素晴らしい景色を堪能させて頂いたので良しとしましょうか〜
潔く山頂を後にして、黒部五郎カールの下りの取り付き辺りまで下り、
黒部五郎の山頂や、眼下に広がる素晴らしいカールをおかずに昼食タイムとします。


黒部五郎岳カールの底と右後方に三俣蓮華岳 黒部五郎岳カールを見ながら昼食タイム!

眼下に広がるカールは迫力満点ですが・・・
今夜の宿の黒部五郎小舎がまだあんなに小さく見えてますぅ〜
カールから黒部五郎小舎までの岩ゴーロの道のりはかなり遠く・・・
足が疲れているせいか、とっても長く感じました。
しかし、大小の岩が点在するカールの景色は、まるで氷河公園そのものでした。
この辺りの景色は、何だかトムラウシ山を歩いた時の
池塘・巨岩の点在するトムラウシ公園に似ているなと思いました。


岩が点在する氷河公園と、後方に今夜の宿・・・黒部五郎小舎が見える

黒部源流の一滴でしょうか〜・・・水が湧き出してました 疲れた足には未だ遠い・・・黒部五郎小舎

黒部五郎岳のカールの長い下りは、ゴーロ帯で疲れた足には堪えますぅ〜
10年前にカケスが友人と歩いた時、この下りで足を痛めたそうです。
よくぞ痛む足を引きずり歩いたものだと感心しちゃいました。
それこそカニさん歩きだったそうですが・・・
それでも殆どコースタイム通りで黒部五郎小舎を通り抜け、三俣山荘まで歩いた
(太郎平を4時出発で三俣山荘に16時半到着)
と言うのだから驚きでした。
カールの底には水が流れ出し、小さな川となっていました。
この川の水の冷たいこと・・・
何度も後先になり歩いた15名の団体さんや、一人で歩いていた二世の若い女の子も水浴びしてました。

カールの底を抜け、灌木帯になってからの道も相当長かった!!
後30分もすると黒部五郎小舎だと言う付近で、スコールのような雨に遭っちゃいました〜^^;
本当に急な雨で、カケスは急いでカッパの上下を着たようですが・・・
カラッチは間に合わず、上着とザックカバーをつけるのが精一杯で、
黒部五郎小舎に付く頃にはズブ濡れとなってしまった!
小舎に着くと、持ってきた衣類に着替えてから乾燥室に急ぎました。
乾燥室にはストーブが勢い良く燃えていて、乾かすことが出来ましたよ!
大勢の方が乾燥室でごった返してました。
有難いことに小舎の方に、「登山靴の中にも雨が入ったので新聞紙があれば頂けませんか〜」と
丁重にお願いすると、ヘリで上げてるので一人一枚ならと下さったのです〜(嬉)
カケスはカッパの下を履いていたので靴の中は濡れてません。
お陰様で翌朝には、何とか登山靴の中も乾いて快適に歩けましたよ。


赤い三角屋根の黒部五郎小舎・・( On Mouse ) 黒部五郎小舎の夕食・・・( On Mouse )・・・朝食

黒部五郎小舎の夕食には、冷たいとろろ蕎麦も出て美味しかったで〜す!
もちろん朝食もね。
今夜もお布団の上でストレッチして疲れた足を労わり・・・
明日の縦走に備えます!
黒部五郎小舎ではお布団一枚に一人でゆっくり寝れました。
同じ部屋になったSさんの奥様はもう百名山を制覇され、ご主人は未だだそうです。
ご主人は以前、良く太っておられ糖尿病を患っておられたそうですが、
山を歩くようになってすっかり血糖値も下がって健康になったそうですよ!
山歩きって本当に素晴らしいですね〜って話は尽きませんでした。
いやぁ〜今日も良く歩きました。
どうぞ〜明日も晴れますように・・・

※ お花の写真は薬師岳レポのお花と重複しますので割愛させて頂きました。


三日目 黒部五郎小舎→鷲羽岳→ワリモ岳→水晶小屋レポ

四日目 水晶岳→岩苔乗越→祖父岳→雲ノ平→薬師沢小屋(泊)

五日目 薬師沢小屋→カベッケ原→太郎平小屋→折立

一日目
 折立→薬師岳→太郎平小屋レポ

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