北アルプス西(裏)銀座ダイアモンドルート縦走


薬師岳(2926m)・黒部五郎岳(2840m)鷲羽岳(2924m)水晶岳(2978m)


2012年8月25日 (土)〜8月29日(水)  

有峰湖


一日目 
8/25(土) 

折立→薬師岳→太郎平小屋(泊)


さてさて丸3年間のブランクを経て、
北アルプス裏銀座のゴールデンルートの山旅に出掛けたカラッチ隊!!
期待と不安の入り混じる複雑な思いを胸に、一路富山まで車を走らせたのでした。
尾道に近い高速道路の福山西ICに乗ったのは、午前3時半。
深夜の高速料金半額を狙ってのことですぅ〜(笑)
名神高速・北陸自動車道を順調に走り、立山ICで高速を下りて
立山市内のスーパーで今夜の夕食と明日のオムスビ・梨などを購入し、
林道有峰線(往復1800円)を通り、有峰湖までやって来ました。
更に車を走らせ、登山口の折立に着いたのは14時半でした。
10年前にカケスが友人と来た時には折立の駐車場には、車が数台だったようですが、
今年はお盆の頃にお天気が安定しなかったからか、駐車場には一杯の車でした。
そうそう、カケスが以前来た時に、キャンプ場の奥の石垣に熊が一頭座って
こちらを見ていたそうですよ!

さてさて今夜の夕食は、立山のスーパーで買ってきた鯖寿司・にぎり寿司・焼き鳥などで簡単に済ませます。
この度は1週間〜10日程度のミニ山旅なので、自炊はいたしましぇ〜ん!
食事をしていると太郎平から下山して来た人達が、登山口から150m位上で熊に遭いましたから
気をつけて下さいとのことでした。
食事後入念にリュックの中身を調べた後、歯磨きしてから
我が愛車のフカフカ(?)ベッドに横になったのでありました〜(爆)
夜中目を覚ますと夜空に満点の星が煌いているではありませんか〜。('-'。)(。'-')。ワクワク

薬師岳 (2926m)

薬師岳は古くから信仰の山であった。
和田川上流の隠れ里で、平家落人伝説のある有峰(ありみね)の人々が、
薬師如来の山として山頂に祠を建て、毎年6月15日の祭りには登拝して剣を奉納したそうです。
有峰の集落は、昭和34年に完成した有峰ダムのため湖底の村となりました。
また薬師岳は、剱岳・立山と並ぶ飛騨山脈(北アルプス)立山連峰の主要峰で、 
 北アルプスの北部と南部を結ぶ位置にあり、
剱・立山連峰から三俣蓮華を結ぶ長大な稜線の中核部に位置します。

山容はずっしりと重量感があり、いかにも霊山にふさわしい感じである。
薬師岳の地理的特徴は東面に並ぶ3つのカールで、
山頂をはさんで南稜カール、中央カール、北薬師岳との間に金作谷カールがあります。
カールの下はそのまま黒部峡谷の上ノ廊下に落ち込んでいるそうです。

コースタイム (※ 本当にゆっくり歩きました コースタイムについては、専門書を参考に行動して下さいね)
折立登山口(4:40)→三角点ベンチ(6:15)→五光岩岩(8:10)→太郎平小屋(9:10)→休憩
太郎平小屋・出発(9:30→ロスタイム40分)→太郎兵衛平テント場(10:30)→薬師岳山荘(12:25)
昼食→薬師岳山荘出発(12:45)→薬師岳山頂(13:55)→薬師岳山荘→太郎兵衛平テント場(16:25)
太郎平小屋(16:45)・・・太郎平小屋泊

折立の登山口には立派な「薬師岳登山口」の標識があります。
午前4時40分ヘッドランプを点して登り始めるも、直ぐにヘッドランプは必要無くなった!
登山口から少し上がった所に、愛知大学山岳部の13人の慰霊の十三重の塔が立っていました。
昭和38年1月、山頂まで後一歩の所で風雪のため方向を見失ってしまい、
黒部側の東南稜に迷い込んだため全員が遭難したそうです。
手を合わせご冥福を祈り、我々の登山の安全もお願いしました。
1870mの三角点までは太郎坂と呼ばれる森林帯を歩きますが、
特に急斜面と言う程はなく、ゆっくり歩きながら高度を稼ぎま〜す。
登山道はよく整備され快適なトレイルでした。

折立・・・薬師岳登山口(1350m) 三角点(1870.6m) 空が明るくなり、有峰湖が見えてきた

三角点へ着いた辺りから針葉樹林帯となりようやく展望も開けてきました。
ここからは整備された広々とした緩やかな登山道となるが、歩道に敷き詰められた石は歩き辛かった。
久し振りの本格的登山であるカラッチの歩みは遅く、後から来る人達に道を譲りますぅ〜(汗)
10年前にカケス達が登った頃、この歩道の石を敷き詰める工事の為、
工事の人達がテントを張って泊り込みで工事中だったそうである。
こうした人達のお陰で安心して安全に歩ける訳です。


↑ もう直ぐかなぁ〜

← 岩ゴロの登山道は歩きにくい!
でもまだこんな道に出て・・・先は未だ長い! →


やっと太郎平小屋が見えてきました!
太郎平小屋までの辛い長い道のりも、眼下には有峰湖、そして眼前に現れた剱岳に癒されながら、
高原気分を味わいつつ太郎平小屋へと向う。
展望が開けてからのこの登りも結構長かったですぅ〜
植生保護の為と登山者の為に作られたであろう、このゴロ石組みの階段はとっても歩きにくくて
疲れた足に優しくないなと思ったのはカラッチだけでしょうか〜

太郎平手前の登山道脇(五光岩付近)からの剱岳

折立の駐車場で出逢ったお若いご夫婦は、カラッチ隊よりも遅い出発ながら
「お先にぃ〜」って追い抜いて行かれました。
このご夫婦・・・20代後半と思いきや何と大学生の息子さんがいらっしゃる由
お父さんが大学生と言っても良いほど、スラッとした好青年でしたよ!
奥様は西村知美似の美人でした。
「とってもお二人とも40代に見えませんよ」って言うと・・・
カケスが70代半ば、カラッチが70歳手前と言うことも信じられない様子でした。
これからの良いお手本だと仰って下さって(照)
このご夫婦は今日は、北ノ俣岳の方を散策して、
今夜太郎兵衛平にテントを張り、明日早朝薬師岳からご来光を拝むそうです。

太郎平小屋が見えてきました! 太郎平小屋前のベンチで一休み(AM9:20)

小屋の前は広場になっていて、大勢の登山者が木のベンチに座って休んでいました。
正面には雲ノ平越しに黒部五郎岳〜水晶岳や、左手には薬師岳の絶景が素晴らしいで〜す!
折立から5時間弱歩き通して得たこの景色に酔いしれていたい気分でしたが、
カケスは早くも薬師岳に向かう為にサブザックを準備中であった。
昼食には未だ早い時間だし、薬師岳までコースタイムで登り3時間10分・下り2時間
果たしてカラッチに頑張れるでしょうか〜(^^ゞ
太郎平小屋に今夜の宿泊の予約を済ませ、リュックを預けて「いざぁ〜薬師に向けて出発!」
と言いたいところですが、カケスが忘れ物をして・・・
太郎平の木道を半分位歩いた所で引き返し、カラッチだけ先に太郎兵衛平のテント場で待ちます。
その間にテント場から直ぐ近くの水場迄行き、冷たい天然水を300ml一気に飲み干しちゃいました。
ここの水場ではづっと水道栓は開けっ放し、冷たいお水が大量に流れ出てました。
水場脇のトイレで用も済ませ、テント場まで戻った所でカケスと合流!


↑ 太郎兵衛平テント場

← 植生保護の木道・・・太郎平

10年前にカケス達が来た時
誰もこの水場にいなくて・・・
パンツ一枚になって、この水場で
余りの冷たさに飛び上がりながら
水浴びをしたそうな!

太郎兵衛平のテント場から樹林帯を少し登ったら、沢となった岩づたいに登って行きます。
が・・・結構な段差もありカラッチの体力もかなり消耗してきました。
喘ぎながら少し登っては休むカラッチを見て
カケスが、「これからまだ2時間半程登らないと薬師岳まで行けないよ!」
「どうする?!?」 「これから先の行程は無理かな?」
「これから折立に向けて戻るか?」って聞くではありませんか〜
カラッチ・・・「なんでよぉ〜 ここまで登って下りるなんて嫌だ!!」
「今回の計画は台無しじゃ〜ん、意地でも登るぞ〜」ってことで・・・
亀足で登り始めたので、薬師平の写真を撮る余裕が無くて、一枚もありましぇ〜ん!
愛知大学山岳部の13人の方達がガスで迷った、荒涼としたガレ場の登山道は
カケスとカラッチの記憶の中にしっかりありますが、
こちらでお見せ出来なくて・・・m(__)m


薬師岳山荘まで着きました〜(^^)

が・・・上はガスで真っ白(黒)け!
薬師沢の登り始め こんな岩も乗り越えて・・・

やっとの思いで薬師岳山荘まで辿りつきました〜^_^;
ここまで登る途中で、「この歩みでは薬師岳山荘に泊らなければダメかな」なんて思いながら
薬師岳山荘から太郎平小屋にキャンセルしてもらって・・・と思っていたのですが、
薬師岳山荘に着くとちょっぴり元気も出て、時刻を見ると12時半です。
山荘の前でお昼のお弁当の鱒寿司を食べると一気に元気が出て13時出発!
シャリバテだったのかなぁ〜(^^ゞ
ここから1時間の登りで、太郎平まで2時間の下りなので
何とか太郎平小屋に遅くとも17時には着けると判断して、登り始めました。

ジグをきって砂礫の道を歩む! 左奥に薬師岳山頂が見えてきました

が・・・しかし薬師岳山頂への道は、砂礫のザレ場を登り詰めるので
(今回は「が・・・しかし」が多いなぁ〜 ボソッ!)

体力を消耗しているカラッチは予想以上に、時間がかかりますぅ〜
薬師岳が近くなった頃、ポツポツ雨が落ちだしたのですが
晴れろ教祖のカラッチ隊が登ってるんだもの〜
ザックカバーもカッパも着るほどでなく、一時はガスも引いて晴れ間も見えてました。
太郎平までの登りで一緒になったご夫妻は、もう薬師岳から下山されてます!
太郎平小屋に「広島からの夫婦が小屋に着くのは17時頃になる」旨、伝えて頂く様お願いしちゃいました。
カケスに言わせると、薬師平を4歩登っては一呼吸する(笑)カラッチのため、
山頂に着いた頃、薬師岳からの眺望はご覧の通り!!
山頂手前では一時、すっとガスが引いて晴れたのに残念ですぅ〜



↑ ガスの薬師岳山頂でハイポーズ!
( On Mouse )

← 薬師山頂(2926m)標識

そうそう、カラッチ隊が山頂に着いた時に
山頂で頬の辺りから血を流して青黒くなり、手にもかすり傷を負った一人の男性が休んでおられました。
聞けば・・・薬師岳手前の岩場から滑落したそうです。
脛の辺りを強打して、一時は動けなかった由、落ちだしたら止まらなくて怖かったそうです。
もう自分である程度手当てされて、少し落ち着いていらっしゃいました。
これから薬師岳山荘まで下りてから手当てして頂くとのこと・・・
大きなザックを持っておられたので、カラッチ隊では荷物を持ってあげることが出来ないなと思っていると
若いご夫婦がサブザックで登って来られ、その方のリュックを背負って下山して行かれました。
そんなに危なくない岩場の薬師岳でしたが、ちょっとしたことでこんな怪我も起こりうるのだと
気を引き締めて、カラッチ隊も歩きましたよ!

Hさん達が歩いた北薬師岳と金作谷カール

Hさんから27日に届いたメールで知ったのですが・・・
8/28に折立から薬師岳山荘(泊)、翌日に五色ケ原を歩くとの由、
こんな景色を見ながら歩いたのかなぁ〜
って、H隊はきっと快晴の中を歩いているよね。。


薬師岳中央カール 太郎平小屋に向けて歩くカケス!

薬師平のザレ場も、太郎兵衛平のテント場までの岩場の下りも・・・
下りならスイスイとまでいかなくとも、まぁまぁのコースタイムで歩けたかなぁ〜^^;
太郎平小屋に向かう木道では、早く小屋に着きたくて〜
しかし予想していた通り、17時ちょっと前に太郎平小屋に到着しました。
到着と同時に「ハイ、これから夕食のお時間ですよ!」だってぇ〜
お腹も空いていることだし、部屋に荷物を置くなり頂いちゃいました。
今夜の太郎平小屋は布団一枚に2名だそうです。
何でも今夜は250名の宿泊だそうですよ。
なんと同じ部屋に、薬師岳の登りでお会いしたご夫妻と一緒でした。
明日も同じコースで黒部五郎岳を目指されるそうです。
夕食後、山のお話に花が咲いたのは言うまでもありましぇ〜ん!

太郎平小屋の夕食

16時45分に小屋に着き、直ぐに17時から食事でしたので日が沈む画像は撮れませんでした。
明日の朝食はお弁当にして頂いて、二人分注文!
明日の昼食は持ってきた行動食やパンなどがあるので何とかなるでしょう〜
ちなみに太郎平のお弁当は竹の皮に包んだちらし寿司でしたよ!
とっても美味しいお弁当でした。
今日の行動時間は実に12時間でした〜(汗)
標準コースタイムで10時間10分のコースなのですぅ〜
さて今日の頑張りが、明日以降のコースタイムにどう影響が出るでしょうか〜?
この季節お花は余り咲いてないと思ってましたが、それでもこんなお花達が
疲れた足を慰めてくれました〜(*^_^*)


ミヤマママコナ(深山飯子菜
オヤマリンドウ(御山竜胆
コケモモ(苔桃)の実 ミヤマリンドウ(深山竜胆) ミズバショウ(水芭蕉)の葉
キヌガサソウ(衣笠草) ミヤマカラマツ(深山落葉松) ウサギギク(兎菊)
トウヤクリンドウ(当薬竜胆) ハクサンフウロ(白山風露 )

オオレイジンソウ(大伶人草)
オヤマリンドウ (御山竜胆) ヤマハハコ (山母子)


二日目 太郎平小屋→北ノ俣岳→黒部五郎岳→黒部五郎小舎(泊)のレポ

三日目 黒部五郎小舎→鷲羽岳→ワリモ岳→水晶小屋(泊)レポ

四日目 水晶岳→岩苔乗越→祖父岳→雲ノ平→薬師沢小屋(泊)

五日目 薬師沢小屋→カベッケ原→太郎平小屋→折立

2012年 ミニ夏山旅速報に戻る


inserted by FC2 system