氷ノ山(ひょうのせん)(1510m)

2012年6月3日 (日)  一時

氷ノ山は、鳥取県東南部に位置する中国地方第二の高峰、兵庫県の最高峰で、
氷ノ山後山(うしろやま)那岐山国定公園の盟主です。
今から数百年前の噴火で出来た山で、地質が非常に古いため山の原型は殆ど残してないらしい。
山容は、この山の特徴である山頂部に
ドーム状のゾッコ(ズッコ)と呼ばれる緩やかな斜面が広がり、
渓谷は鋭く刻み込まれています。
氷ノ山の名前の由来は、天照大神が伊勢詣での途中に朝日に映える樹氷を見て、
「ヒエの山」と称されたことが名前の由来であると言われています。

また自然環境は変化に富み、標高800m以上のエリアには
ブナ、ミズナラ、トチなどを中心にした広葉樹林が広がり、
千本杉と呼ばれる山頂直下の杉の原生林など自然の宝庫となっていて
天然記念物のイヌワシやツキノワグマが生息しています。

○とう○ワンゲル会の6月例会で、総勢22名で初夏の氷ノ山を歩きました。
尾道IC午前6:00出発し、一路・・・氷ノ山キャンプ場目指します (←バスで走ったコース・・・一部違うかも)

兵庫県側からの登山コースもありますが、
鳥取県側からは、若桜町舂米より氷ノ越コース・仙谷コース・三ノ丸コースの
3ルートの登山道が整備されています。
登山コースは・・・こちらからご覧になってね!
本来我々は仙谷コースから登る予定でしたが、氷ノ山は豪雪地帯で今年はまだ残雪もあり、
何度か沢を渡るため踏み抜く恐れもあり、倒木も多くて危険とのことで
一番歩き易い「氷ノ越コース」から登りました。

氷ノ山自然ふれあい館「響きの森」 (AM10:00 着) キャンプ場

氷ノ山自然ふれあい館「響の森」の駐車場にバスを止めて、登山準備!!
こちらでトイレをお借りすることが出来ます。
ここからキャンプ場に向って舗装路を登って行きます。
道路の両側には、タニウツギの鮮やかなピンクの花が満開でとっても綺麗でした。 
キャンプ場の道を左側から回り込むようにして進み
氷ノ越登山道の指導標に従って傾斜の緩い階段を登っていきます。

コースタイム (※ お花を楽しみながらゆっくり歩きました コースタイムは、専門書を参考に行動して下さいね)
氷ノ越登山口(10:15)→氷ノ越コース本線に合流地点(10:35)→氷ノ越非難小屋(11:15〜25)→仙谷コース分岐(12:15〜20)
→氷ノ山々頂(12:45 昼食 13:25)→氷ノ越非難小屋(14:35〜14:45)氷ノ越コース下山口(15:20)

氷ノ越コース登山口 登山道の手前のミヤマキケマン

杉の植林帯の良く整備された歩き易い登山道を登るに従って、
最初は見かけなかった花達でしたが・・・
登山道の脇にホウチャクソウやニリンソウ、コミヤマカタバミ、タチカメバソウなどの花が咲き
この時期のお花達が歓迎してくれてるようです。

ホウチャクソウ ニリンソウ
コミヤマカタバミ タチカメバソウ

登山道脇はニリンソウが一杯・・・ ( On Mouse )

初めは緩やかでしたが、小さな谷を過ぎた辺りから徐々に傾斜が増してきました。
ニリンソウの道と呼びたいほど、登山道にニリンソウが咲き誇っていま〜す!
カラッチ、写真を撮りながら登るので何時も一番後ろですぅ〜^^;

九十九折れの道を登る我がワンゲル隊! 旧伊勢道らしい・・・石畳の道が続きます

この辺りまでは歩きやすい登山道でしたが、
傾斜も段々きつくなり、九十九折れの道で息があがります。
いやいや先々月(4/3)、大江高山に登って以来の山歩きですから・・・(-_-;)
しかも10日ほど前、テーブルの脚に小指をぶっつけて足が痛くて
やっと3日前から運動公園まで朝5時起きで、にわかトレーニングしての参加ですぅ〜
それでもこんな新緑の中を歩くのはとっても気持ちが良くて、久々の山の空気に深呼吸!!
いやぁ〜やはり山歩きって素晴らしい〜〜♪

サンカヨウ・・・ ( On Mouse エンレイソウ ネコノメソウ
タチツボスミレ チゴユリ ヤマルリソウ・・・ ( On Mouse

この辺りではまだサカヨウは咲き始めでした。
またエンレイソウ、ネコノメソウ、チゴユリ、ヤマルリソウなどの花が咲いて
写真を撮る度に立ち止まるカラッチ、追いついてはまた離され・・・
久方振りの登山に加え、息が上がりっぱなしですぅ〜
登山道は階段となったり、緩やかな道で歩き易いのだけどね。
登山道脇にはタチツボスミレが咲き乱れ、
「タチツボスミレの道」って名付けたいトレイルでしたよ!

段差のある丸太の階段 タチツボスミレの道

サンカヨウ・・・ ( On Mouse ルイヨウボタン
ニョイ(ツボ)スミレ? ムラサキコマノツメ?

スミレの名前の同定にはいつも迷ってしまいますが・・・
向かって左のスミレは、距が短くて白いのでニョイスミレで良いでしょうか〜
そうして右のスミレ・・・ムラサキコマノツメかなぁ〜
どちらのスミレも小さな小さな花でした。
花名の誤認があるやも知れません、何方かどうぞご教示くださいね。

お伊勢参りの峠道でもあった・・・氷ノ越 氷ノ越非難小屋

氷ノ越コースで一番の急坂と言われる九十九折の急な階段を上がると、
   氷ノ越と呼ばれる峠に出ました。
ここは兵庫県側からの登山道との合流地点となります。
昔は因幡と但馬を結ぶ、お伊勢参りの街道だったらしく、名残の地蔵尊が道端にありました。
避難小屋もあり、天候の悪い時など休憩するには嬉しいですよね。
氷ノ山は冬場には3〜4mの豪雪地帯なので、高床式になっています。
冬場にはどうやら、上の窓から出入りするのでしょ〜
屋根も雪が落ちやすい様に急勾配となっています。
小休止して山頂目指して出発で〜す! 

ブナ林の中を気持ちよく・・・ 新緑のブナに英気をもらって・・・

しばらくはなだらかな尾根道なので、
新緑のブナからグリーンシャワーの英気をもらいながら・・・
ブナの原生林とチシマザサの中、景色を楽しみながら歩いて行きます。
どうやらこの辺りが兵庫県と鳥取県の県境となるようです。
稜線の道にはユキザサやマイズルソウを多く見かけますが、マイズルソウの花はまだ咲いていません。
オオカメノキの白い花が点在し目を楽しませてくれましたよ。
登山客の中には・・・
登山道脇に生えているスズコ(別名・根曲竹)を採りながら歩いている人も大勢います。
この根曲竹、焼いて食べると美味しいんですよね。
北海道の山を歩いている時、沢山頂いて食べたっけ!


1,278mピークを過ぎ、やや急な登りになってきました。
今日は湿度が高いせいか、汗が額を伝います。
登山道も大きな岩や木の根っこが張り出して、歩きにくくなっちゃいました。
そんな中、ユキザサやチゴユリがあっちこちに咲く道でしたよ。
オオイワカガミも綺麗な姿で迎えてくれました〜(^^)

ユキザサ オオイワカガミ

オオイワカガミ 氷ノ山々頂非難小屋があんなに小さく見えます

おぉ〜氷ノ山山頂が見えてきましたよ!!
氷ノ山々頂避難小屋があんなに小さく見えるってことは、ここからどうやら
またもや九十九折れの登山道になるみた〜い!
画像では分りませんが、人が点のようになって登ってます。
今日は日曜日なので結構な登山者なのですぅ〜
p(#^∇°)q ファイトッ!!

仙谷コースとの分岐・・・仙谷口 山頂まで後・・・0.5キロ

仙谷コースとの分岐である仙谷口に着きました。
仙谷コースにはまだ雪が残っていて、
5〜6回渡渉するので危険だと、響きの森で説明してらっしゃったので、
流石に今日は仙谷コースからの登山者はいないようです。
仙谷コースの分岐を過ぎると「甑(こしき)岩」と呼ばれる岩峰があります。
岩峰からは、氷ノ山で一番眺めが良いと言われているが
今日のお天気では展望も臨めそうにないのでパスして先に進みま〜す。
登ってきた方向を振り返ると・・・
甑岩を回りこんだ登山道から、鉢伏山への縦走路らしき道も見えていましたよ。
少し登ると、先程休憩した氷ノ越避難小屋が小さく見えます。
結構歩いてきたんだなと思える瞬間です。

山頂間近から見た・・・氷ノ越非難小屋 山頂へと続く階段

山頂へのトレイルは、両端がチシマザサに覆われた木の階段が何処までも続いて・・・
天国に登る階段のようです〜(;;゜ o゜;;)
こちらも九十九折れの階段でなかなか山頂に辿り着きましぇ〜ん!
しかも目の前の階段から地元の中学一年生の311名もの団体が下ってきました。
みんな若いので
(当たり前ですってば〜)元気が良くて、口々に挨拶してくれます。
中には「もう少しですよ。 頑張って〜」って励ましてくれる子もいます。
この辺りの子供は、遠足でこの山に登るようです。
いいよね! 足腰鍛えて元気で育って欲しいものです。

氷ノ山々頂(1510m)・・・ ( On Mouse

やったぁ〜 氷ノ山々頂到着で〜す!
一度は登ってみたかった氷ノ山・・・残念ながら今日の展望はイマイチですぅ〜
お天気が良ければ山頂からは360度の展望で、
伯耆大山や扇ノ山をはじめ、東中国山地の山々が望めるそうですが誠に残念!!
まだ山頂には中学生のグループがいましたので、
三の丸方面に少し下った辺りで昼食タイムです。

山頂小屋の窓の横には梯子があります。
積雪期にはこの梯子使って二階の窓から出入りするのでしょ〜
もちろんこちらの避難小屋も高床式でしたよ!
山頂には、二階部分が展望台になったトイレがあり、しかも水洗式でした。
なんとこのトイレ・・・太陽光パネルで電気制御で運転しているそうですよ!
昼食のお弁当を食べていると雷が鳴り出しちゃいました。
さて雷が落ちないうちに下山しようと準備していると、小雨が降ってきました。
慌ててカッパを着て、ザックカバーをつけて下山開始です。
それでもおよそ30分も歩くと雨も上り、氷ノ越コースを下山しました。

二階が展望台の水洗トイレ マムシソウ タニウツギ

下山も氷ノ越コースなので、省略しますが・・・
雨で湿った登山道はとても滑りやすく、思ったより時間がかかりました。
氷ノ山は雪景色の中を登ってみたいなとも思いましたよ!
またブナも多いのできっと、紅葉のシーズンには素晴らしいだろうなと感じました。
なかなか歩けない山域なので、こうして山仲間と歩けたことがとても嬉しかったで〜す。
帰路・・・国民宿舎「あわくら荘」に立ち寄り、疲れを癒して
午後9時無事に尾道帰着!!
リーダーのTさん、ワンゲル会の皆さんお疲れ様でした。


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