甲斐駒ケ岳 (2967m) 2007年8月10日 (金)
南アルプスの北端に位置する甲斐駒ケ岳は・・・ 白い頂きのピダミダルな山容が特徴で、この山も古くから信仰の山であった。 そのため今でも黒戸尾根には、信仰にまつわる多くの石碑や石仏が残っているそうです。 以前は、標高差2100mを越えるこの黒戸尾根がメインコースでしたが、 近年南アルプス市営バスが開通して以来、北沢峠(2,032m)から日帰りも可能となり・・・ こちらのコースを登る登山者が多いそうです。 北沢峠からのルートは・・・ 双児山・駒津峰を経由する尾根道と、仙水峠を経由する谷筋のルートの2つがあります。 昨日仙丈ケ岳に登ったカラッチ隊、仙水峠を経由するコースを歩くことにしました。
長衛荘を午前4時にヘッドランプをつけて出発したカラッチ隊! 北沢峠から山梨県側へ車道を500m程下った辺りから、登山道の北沢に入ります。 登山道左の岩に、甲斐駒・仙丈の開拓に尽くした、初代・北沢長衛のレリーフがありました。 北沢駒仙小屋から北沢峠テント場脇を通り、登山道に取り付きました。 テント場では沢山の登山者達が食事の準備をしたり、出発の為荷物を整えていました。 小屋の前の橋を渡り、左岸を緩やかに登って行きます。 この丸太の橋を渡り返したりしながら、薄暗い道を歩き・・・ 小さな橋を渡ると、やっとその先に仙水小屋の灯りが見えてきました。
実は、仙丈に登る前に「かつとんさん」家に寄った時に、 「この仙水小屋はお刺身が出てなかなか良い宿でしたよ〜」って聞いて 電話で直ぐに申し込みしたのですが・・・予約(30名)一杯で断られちゃいました〜 かつとんさんのレポはこちら・・・ それでカラッチ隊は長衛荘にしたのですが、私達にとってはこの方が・・・ 仙丈から下ってすぐに宿だったし、荷物も預けられてラッキーでした。 そうして長衛荘の料理もなかなか良く、何よりお布団がフカフカでぐっすり眠れました。 仙水小屋からしばらく登ると、 何だか岩が累々と積み上げられたようなゴーロ状の砂礫の道となりました。 今まで歩いて来た道と全く異なるこの光景には、驚きましたよ! 所々にマーキングしてあるので、道をそれない様に歩かなければなりません。 何だか北海道のトムラウシを歩いた時の、ロックガーデンを思い出しました。 そんな中歩いていると、カケスの前のシラビソの木に朝日が当たり、輝いていました。 ふっと後ろを振り返ると、仙丈ケ岳にも日が射し見事な光景でした〜σ(^0^)
仙水峠まで日が昇らない内にと思ったけど、こんな光景に出会えて感激でした。 長衛荘を出発して1時間半で、仙水峠(2.264m)に到着!! 仙水峠は、栗沢山と駒津峰に挟まれたV字状になっていて・・・ 鳳凰縦走路の分岐点となっています。 これから登る甲斐駒ケ岳と魔利支天が目の前に聳えていました〜 そうして振り向けば、栗沢山の向こうに鳳凰三山のオベリスクが見えました。
もう30分早く長衛荘を出ていたら、仙水峠での綺麗なご来光を眺めることが出来たことでしょう〜 そう言う意味では、仙水小屋に泊っていれば4時半過ぎて出発すればいいものね! でも何とかご来光も眺めて、ここで朝食のお弁当を二人で一つ食べ、 (実は朝食の弁当はお昼と一緒なので、一つだけお願いしたのでした) 後は持ってきたパンや果物を食べて、元気をつけて・・・ 河津峰までの急登を頑張りましょ〜 ファイト〜! (* ̄0 ̄)/ オゥッ!!
仙水峠から駒津峰への登りは、高低差約500mを一気に登る直登なのです。 シラビソの根もあらわな急坂を喘ながら登っていきま〜す! しばらくは展望もありませんでしたが・・・ ふと見上げるとハクサンシャクナゲが綺麗に咲いて心を和ませてくれましたよ! 段差はますます大きくなり、立ち止まる回数も多くなってきました。 カケスに置いていかれるので、写真を撮る余裕がありませしぇ〜ん。 と・・・言い訳しておこう〜〜(汗)
シラビソからダケカンバに変わる頃、 やっと展望が開けてきて、登ってきた来た道を振り返ると・・・ 栗沢山の向こうに、アサヨ峰、そうして鳳凰三山のオベリスクが見えました〜 駒津峰までの登山道の途中では、 振り向けばこんな山々がお出迎えで〜す! こうして登りながら、今まで登った山が見えるのはとても嬉しいことです! 言葉など必要ない・・・素晴らしい眺望をお楽しみ下さい。
それにしても駒津峰まで、なんと急登だったこと・・・ へ(´o`)へ チカレタ… が・・・しかし、こんな眺望を目にすると、今までの疲れも吹っ飛び 甲斐駒ケ岳と魔利支天の雄姿に酔いしれるカラッチでした〜
樹林帯を抜けると、やっと駒津峰が見えてきました。 見上げると、空には雲一つなく素晴らしいお天気で〜す! =*^-^*=にこっ♪ お花の少ない甲斐駒ケ岳と聞いていたけれど・・・ 7月中旬から下旬にかけては、この一帯にも沢山のお花が見れるそうですよ! タカネバラ、ツマトリソウ、コイワカガミ、ハクサンイチゲ、コケモモ等など・・・ 駒津峰でご一緒になった方が教えて下さいました〜
駒津峰に着くと、まず目に飛び込んできたのが・・・ あの白い頂に日が射し、甲斐駒ケ岳のなんとも神々しい姿だったのです! 何故だか涙が溢れ出し・・・ 自分でも震えるほどの感動を抑えることが出来ませんでした。 こんな素晴らしい甲斐駒ケ岳のお出迎えに感謝!! さていよいよ、甲斐駒本峰に向けてまず六方石まで激下りが待っています。
六方石から少し登り、右にそれると魔利支天の方を経由して白砂を巻いて登る道です。 カラッチ隊は、もちろん真っ直ぐ進んで甲斐駒・直登コースを登ります。 ここから標高差約300mの岩場の直登が続きます。 レ(゜゜レ) ガッツだぜ!! この直登コース、狭い岩の間をくぐり抜けたり、 やっと手の届くような岩や、足がかりを探すのに苦労する所など三点確保で 慎重に登っていきましたよ! さすがのカケスもこの辺りでは、振り返ってカラッチを気遣っていました〜(笑) 途中で休んでいた7名ばかりの男性は、六方石の所にリュックをデポして登ってきたとか・・・ カラッチ達がリュックを背負ってるのを見て、「良くあの岩場を潜れましたね」 って感心していらっしゃいました。 この辺りには、ヨツバシオガマ、タカネツメクサ、タカネコウリンカなどの花が咲いていました。 急峻な岩稜帯を越えると、山頂もだんだん近くなってきたようです。 やったぁ〜〜 ついに甲斐駒ケ岳山頂で〜〜す♪♪ カラッチ隊・・・ 夢にまで見た白い花崗岩で覆われた、甲斐駒ケ岳の山頂に立ってま〜す! \(^ ^)/ キャッホー こんな快晴の中、鳳凰三山の後ろに富士山が微笑んでお出迎えなんですぅ〜 v(^^)v ブイブイ
山頂からは360度、素晴らしい眺望!! 富士山、鳳凰山、北岳、間ノ岳、塩見岳、仙丈ケ岳をはじめ南アルプスの主峰が・・・ 北に眼を転ずれば・・・ 遠くに槍・穂など北アルプスの峰々が見え、中央アルプスの木曽駒ケ岳・御嶽山・乗鞍岳など すべての役者勢ぞろいって感じで〜す!
山頂で1時間も心ゆくまで眺望を楽しんだカラッチ隊! 何時までもこの景色の中にいたかったけど、下山の時がやってきました〜 甲斐駒ケ岳の白い頂に別れを告げ・・・ 下りは、白砂の巻き道ルートをとることにしました。 山頂から少し下ると、小高い所に大国主命と駒嶽大権現などの石碑が並んでいました。
摩利支天を左に見て砂礫のルートを下ります。 白砂の砂礫の道は、ザラザラと滑ってとても歩きにくかったです。 こちらを登るのも容易ではないなと思いましたよ。 摩利支天には登らず、下山することにしました〜(^^;
こちら巻き道から直登ルートを見ると、かなり急峻な岩場でした。 摩利支天への標識の辺りからトラバース気味に進むと・・・ 六方石手前で登りに使った直登ルートと交わりました。 ここから駒津峰に登り返します。 駒津峰でもう一度、甲斐駒ケ岳の雄姿を目に焼き付けてから 双児山経由で北沢峠までの長い下りに取り付きました。 振り返ると甲斐駒ケ岳に雲がかかってきました。 イヤァ〜(^^ゞ ラッキーでした。
双児山まで下ると丁度お昼でしたので、ここでお弁当を食べて・・・ 双児山からはシラビソの樹林帯の中をジグザグ巻きながら、下っていきます。 標高差600m下るのですから長い訳で〜す(_ _ ;; そう言えば昨日、長衛小屋で夕食前にお花を写すため外に出ていたら 北沢峠のバス待合所に、かなりなお歳のご夫妻が座り込んでいらっしゃいました。 昨日の朝早くから仙水小屋経由で甲斐駒に登り、双児山経由で下山したけど・・・ 「あの直登コースは、この年寄りにはきつかったなぁ〜」と・・・ 「これからまだ大平山荘まで下らないといけない」と、日が暮れそうな道を下りて行かれました。 無事に宿に戻られてればいいなと思いましたよ! 午後1時40分、無事長衛荘に下りてきたら・・・ おかみさんが「コーヒーをどうぞ」ってご馳走して下さいました。 しかも茹でたてのトウモロコシまで〜 美味しかったです。 ヽ(#^ー゜#)v サンクス! これもかつとんさんのお陰で〜す! 空になったペットボトルに、長衛小屋の前の美味しいアルプスの天然水を詰め おかみさんにお礼を言って、バス停に並びました。 長衛荘のおかみさんがカラッチに何か叫んでま〜す! 「バスの運転手さんに25人になったので増便を出してとお願いしてみな〜」だって〜 快く増便出して頂いて、午後2時半出発で戸台に・・・ 北沢峠までのバスでは、また運転手さんが色々ガイドして下さり、 鋸岳はこの辺りから見ると、女性の顔に見えるとか・・・ 景色の良い場所とかお花などのある所では、車を止めて写真タイムまで〜 なかなかのサービスでしたよ! それからバスの中で車の鍵を忘れたと言われる男性客の為に、 長衛荘のおかみさんに連絡を入れ、次のバスで戸台のバス停まで下ろしておくから お客さんには「ゆっくり仙流荘でお風呂に浸かっていて下さい」と、見事な連携プレーでした。 こうして念願だった仙丈ケ岳・甲斐駒ケ岳の登頂を終えたカラッチ隊は、 またまたお気に入り「信州蔦木宿道の駅」に戻ったのでした。 仙丈ケ岳レポを見る 2007年夏山旅・奥秩父・南アルプス速報 |